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いぬねこコレクション 読んでおきたい!いぬねこ漫画セレクション 〜書店コミック担当者の、これ注目!〜

Vol.3 ヴィレッジヴァンガード下北沢店のオススメ漫画!

日本を代表する文化であるマンガには、犬や猫が活躍する作品もたくさんあります。そこで、広く深くマンガを知る書店のコミック担当者に、好きな犬猫登場マンガを選んで、ランキングをつけていただきました。

今回はサブカルの聖地、ヴィレッジヴァンガード下北沢店のベテランコミック担当者に、ここまでの他店ランキングを見てもらったうえでセレクトをお願いしました。

◎いぬ漫画セレクション by ヴィレッジヴァンガード下北沢店・大森 慧さん

大森さん’s ランキング

1位 『星守る犬』『続・星守る犬』

村上たかし/双葉社
[コミック誌『漫画アクション』掲載作品を加筆修正し、描き下ろし作品とともに収録]

【どんな作品?】
『星守る犬』は映画化もされ大ヒットした「おとうさん」と「ハッピー」の絆の物語。『続・星守る犬』はその対をなすストーリー集。あの日、拾われなかったもう1匹の子犬がたどる運命は。そして「おとうさん」の財布を盗んだ少年はどうなったのか。そこにもまた別の犬が絡んできて……。『星守る犬』の物語はこの2冊で完結します。

【大森さんのツボ!!】
「『星守る犬』もよいですが、『続』のほうもよいですよ。どちらも泣ける感動作。ハンカチ必須です。3〜4年前に『星守る犬』を読んだ時は、号泣してしまい読み返せませんでした。以前飼っていた犬が死んだあとによく『生きていた頃、うちの犬は幸せだったのかな』と考えてしまっていたのですが、物語の終盤、犬目線のセリフが書かれているのを読んで『うちの犬もこんなふうに思ってくれていたならいいなと、それを支えにしよう』と。前作と続編は対になっていて『星守る犬』のストーリーは2冊で完結します……ということで、2冊とも1位にしました。両方とも読んでほしいですね」

大森さんのコメントを聞いて私もすぐに続編を読了。人の心の温かさに触れられて、救いを覚える感動作でした。一時期、いぬねこ小説もたくさん読んだという大森さんからは、『ハラスのいた日々』(中野孝次/文春文庫)、『雨はコーラが飲めない』(江國香織/新潮文庫)、『デューク』(江國香織/講談社)など、小説のおすすめタイトルもポンポン出てきます。「犬が出てくるというだけで読んでいました。やはり愛犬のことを思い出して、読後はなんともいえない気持ちになるんですけれどね」と大森さん。今回コレクション枠で紹介したマンガを堪能したあとは、いぬねこ小説もいかがですか?

2位 『ジョジョの奇妙な冒険』24巻

荒木飛呂彦/集英社 ジャンプ・コミックス
[コミック誌『週刊少年ジャンプ』『ウルトラジャンプ』で連載。2013年3月現在、全63巻(シリーズ既刊107巻)が発売中 。(※写真右は2012年11月に開催された「ジョジョ展」告知ツールに描かれたイラスト。左の犬がイギー)]

【どんな作品?】
「ジョジョ」(JoJo、GioGio)という愛称で呼ばれる主人公たちが活躍する独創的な冒険奇譚。2世紀以上にわたる系譜の中で膨大な登場人物を巻き込みながら、邪悪な人間と自己の信念を貫く者たちの不可思議な戦いが繰り広げられます。第3部(Part3 スターダストクルセイダーズ/単行本12〜28巻、文庫版8〜17巻)には、知恵と勇気と戦闘能力をもつ誇り高き犬「イギー」が登場。

【大森さんのツボ!!】
「『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズに出てくるボストンテリアのイギーが印象的なキャラクターなんです。作者の荒木先生が飼っている犬がモデルで、ジョジョシリーズ唯一の人間以外の主要キャラクターです。実際に飼っているからか描写が確かなので、非日常感あふれるシーンの中でもリアリティが感じられます。イギーはむやみに尻尾をふらない誇り高い犬。いつも自分のためではなく、人のために戦うんです。ジョジョワールドの中でいちばん好きな存在ですね。ほかのスタッフとも『犬といえば、やっぱりイギーだよね』と話していました(笑)」

1987年に『週刊少年ジャンプ』に登場して以来、25年以上も続いているジョジョシリーズですが、まずはイギーにつきあいながら、作品世界に足を踏み入れてみるのも悪くないかもしれません。

3位 『犬神』

外薗昌也/講談社漫画文庫
[コミック誌『月刊アフタヌーン』で連載。文庫本全6巻。『犬神 完全版』全3巻(出会い編・覚醒編・常世国編/講談社プラチナコミックス)も発売中]

【どんな作品?】
詩作を愛する孤独な高校生・島崎史樹が廃工場で出会った人語を理解する犬「23」。絆を深めていくふたりは、永遠の生命の鍵となる数字「23」をめぐる製薬会社等の欲望に巻き込まれていく……。「23」はいったいなぜ現れたのか? 「23」が犬神から受け取る「人間を見ろ」というメッセージの意味は? 新たな生命体・生態系をめぐる壮大な黙示録。

【大森さんのツボ!!】
「異形なもの、寄生ものも私の好きなジャンルで、『犬神』はその中でもとくに気に入っている作品です。キーになる登場キャラとして描かれる「23」は、犬の形はしていますが本当は犬ではない。宇宙から送り込まれた生物兵器のような存在です。「23」がいい人間と出会ったことで、地球が滅びなかった……という壮大なストーリーがすごくおもしろく描かれているんです。ホラー作品を多く描いている著者だけに、本書の絵もリアルでグロい部分もありますが、ストーリーに興味を持たれた方はぜひ。文庫版はいま店頭に出ているもので最後なので、見かけたら即買いを勧めます!」

「これはおもしろいですよ!」という大森さんの熱い口調に後押しされて6巻とも入手したものの、とりあえずは最初の1巻だけ読もう……そう思っていました。でも実際は、一度開いたが最後、一気に物語の幕まで引っ張る強力な魔力をもつ作品だということに気付かされました。文庫版は一冊につき460ページ近くありますが、6巻一気読み間違いなしです。

4位 『団地ともお』

小田 扉/小学館 ビッグコミックスピリッツ
[コミック誌『ビッグコミックスピリッツ』で連載中。単行本は2013年3月時点で19集まで発売中(※写真は、12集)]

【どんな作品?】
マンモス団地の29号棟で暮らしている小学4年生の木下ともお。父は単身赴任中だし、スポーツや勉強もイマひとつ。でもまわりには個性ゆたかな同級生や風変わりな団地の住人がいっぱい。団地を舞台にマイペースにたくましく暮らすともおの日常が生き生きと描かれます。2013年春よりNHK総合にてテレビアニメ放送がスタート予定。

【大森さんのツボ!!】
「まず、小田扉先生が描く絵が好きです。マンガ自体は、団地を舞台に子どもたちの日常が描かれているんですが、そこにフラっと犬が現れるんです。ほんとうにたまにしか現れませんが、その犬の絵がイイ。ストーリーには犬はほとんど関係ありませんが、マンガに描かれるともおの周囲の世界観もストーリーもいい味を出しているので、犬を探しながら楽しんでほしいです」

大森さんの言うとおり、『ウォーリーをさがせ!』のウォーリーを探す気分でページをめくっていったところ、たしかに、本書(写真の12集)にもそこかしこに犬の姿が見つかりました。カバーはもちろん、表紙(カバー下の本体表)では犬の絵が描かれたTシャツを着たともおが。本編でもところどころで、犬が描かれたスタジャンを着たともおが元気いっぱい駆けまわっています。そんな地味な形ですが、細部に何気なく描き込む手法に著者の犬への愛が感じられました。

5位 『いとしのムーコ』

みずしな孝之/講談社イブニングKC
[コミック誌『イブニング』で連載。単行本は2013年3月時点で2巻まで発売中]

【どんな作品?】
柴犬ムーコは、吹きガラス職人こまつさんのことが大好き。お鼻をつやつやさせてダンスを踊ったり、こまつさんがガラスを吹く姿の真似をしてタオルを引っ張ったり、犬目線でいろいろなリアクションを繰り広げるムーコがとっても健気でラブリーです。

【大森さんのツボ!!】
「『いとしのムーコ』がほかの3店舗でランク1位だったんですか? それなら、かぶらないようにほかの作品を推さないと……と言いたいところですが、たしかにムーコはかわいい! 当店でもよく売れています。ムーコのよいところは、すごくあっけらかんとしていて、悲しさゼロなキャラクター。うちもあえて1位をつけてもいいくらいです(笑)」

他の3店舗のランキング(1回目のリブロ2回目の喜久屋書店2回目のMARUZEN&ジュンク堂)も見たうえで、ヴィレッジヴァンガードならでは、自分ならではのセレクトを提案してくれた大森さんでしたが、やはり『いとしのムーコ』は外せなかったようです。

 次ページでは、大森さんによる、ねこ漫画セレクション!

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Vol.3 ヴィレッジヴァンガード下北沢店のオススメ漫画!【いぬねこコレクション】 コラム いぬねこ /collection/vj3v0g000000oo1t-img/g6n2u9000000kpxi.jpg 1 ヴィレッジヴァンガード下北沢店のベテランコミック担当者に、セレクトをお願いしました。
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