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穴澤賢の犬のはなし 穴澤賢の犬のはなし

また犬と暮らしはじめた Vol.1 白い仔犬

作者プロフィール

穴澤賢(あなざわまさる)

1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に「ひとりと一匹」(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック「Another Side Of Music」(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った「またね、富士丸。」(世界文化社)などがある。2012年には、実話をもとにした猫の絵本「明日もいっしょにおきようね」(草思社)を手がける。酒好き。
Another Days    富士丸な日々

大吉くん

オス・2才
新しい飼い主さがしのサイトを通じて穴澤さんのもとへ。

犬と暮らすのは楽しいけれど、笑ってばかりもいられない。かつて1DKで大型犬と暮らした経験から、そのことは重々知っている。ちゃんと考えないといけないこともたくさんある。この連載では自分の知っていることや、これから知りたいことも含めて、広く犬のことについて取り上げていきたいと思います。ひとまず第1回は、今我が家にいる犬の話でも。

気がつけばまた犬がそばにいる

思い起こせば11年前、一匹の仔犬をもらって来た。ハスキーとコリーのミックス犬で、名は「富士丸」という。あの頃は何も知らなかった。それから7年半の間に、犬と暮らすうえでの苦しみ、喜び、悲しみ、それらすべてを経験した。犬を飼うとはどういうことか、自分なりには理解しているつもりでいた。だからもう、軽々しく犬を飼うことなどないと思っていた。ところが今、我が家にはまた犬がいる。何がまざっているかわからないくらいのミックスで、名は「大吉」という。

大吉はこうしてやって来た

大吉を迎えてから、かれこれ1年4カ月が経とうとしている。まだそんなものかと思う。おかしなもので、今ではもういるのが当たり前の存在になっている。大吉本人も「生まれたときからここにいますけど?」みたいな顔ですっかり我が家に馴染んでいる。
仔犬の頃の記憶は、もうなくしてしまったのかもしれない。けれども、大吉を引き取りに行った日のことは今でもはっきり覚えている。

きっかけは「いつでも里親募集中」というサイトだった。そこには飼い主に捨てられていたり、施設から保護された犬、生まれてしまったけど引き取り手のない仔犬などが掲載されている。たまにそのサイトを覗いてはいたが、それはただ「眺める」という程度で、新たな出会いを求めていたわけではなかった。いつかまた犬と暮らしたいという気持ちもなくはなかったが、それは当分先のこと、もしかしたらそんな日は来ないかもしれないとさえ思っていた。

しかしそんなある日、いつものようにぼんやりそのサイトを見ていると、白い仔犬に目がとまった。茨城県で、放し飼いにされている雄犬(ミックス)と家の雌犬(ミックス)の間で生まれた仔犬らしい。兄弟の写真も載っていたが、そのうち一匹が妙に気になる。次の日もまたサイトを覗いて、その白い仔犬を探してしまう。そんなことは、はじめてだった。

そこで何を血迷ったのか、うっかり連絡してしまったのがいけなかった。あれよあれよという間に「お見合い」することになった。日取りが決まり、何てことをしてしまったんだろうとかなり焦りはじめていたが、まだお見合いだけだから後でじっくり考える時間はあると思っていた。

ところが前日になって、代理で掲載していた方から電話があり、親犬の飼い主の方が近々引っ越すことになっていると知らされる。本来なら代理の人がしばらく仔犬の面倒を見て、後日自宅まで届けるつもりだったが(里親譲渡はだいたいそういうシステムになっている)、運悪く接触事故に遭い、長距離の運転ができなくなってしまった、ついては申し訳ないが、例外的に当日引き取るかどうか決めたらそのまま連れて帰ってくれないかという。

もう「えぇー!! うそぉー!!」という心境だった。当日その場で決めるのか。心の準備などまったくできていない。これはヤバイことになったと本気で焦ったのだった。

そして翌日、高速道路で茨城方面へと向かいながら、ずっと吐きそうだった。また犬と暮らすのか、それともやめておくのか、その時点ではまだ心が決まっていなかった。でも、まもなく決断しなくてはならない。運転しながら、ずっとそのことについて考えていた。 犬は10年、いや15年、もしかしたら20年くらい生きる。その間、ずっと面倒をみてやれるだろうか。

犬がいる生活は楽しい。それは十分知っている。けれど、犬を迎えるということは、必ず別れる日が訪れる。またあんな思いをするのか。同じことばかりぐるぐる考えていたら、あまりのプレッシャーから気持ちが悪くなってしまったのだった。

結局、答えが出ないまま約束の場所に到着した。忘れもしない「霞ヶ浦ふれあいランド」の駐車場。そこで白い仔犬と出会った。仔犬はおびえていて、最初はケージからしばらく出て来なかった。飼い主の方が抱き上げて渡してくれたが、気をつかって当日洗ってくれたのはいいが、まだ生乾きだった。毛の色も間近で見ると真っ白ではなく、ところどころベージュがまだらに混ざっている。
仔犬特有のニオイがして、第一印象は「なんか、写真で見たより小汚い犬だなぁ」というものだった。

それでも引き取ると決めたのは、ここまで来てやっぱりやめときますとは言えないだろう、という部分が大きかった。決して無理に引き取ってくれと迫られたわけではないが、状況は見事に揃っている。将棋でいうところの「詰まれた」状態に、いつの間にかなっていたのだった。さんざん考えに考えたあげく、最終的には「ま、いいか」という感じだった。

東京に戻ると、仔犬は兄弟と離ればなれになったことを寂しがるでもなく、今日からこの家で暮らすことになったことなど何も知らず、ただひたすら無垢だった。とことこと歩いて、こてんと眠る。そんな姿を見ていると、不思議なもので吐きそうになるほど思い悩んだのはいったい何だったんだろうという気持ちになった。

こうして2011年11月4日、大吉は我が家にやってきた。
ま、なんだかんだ言っても、最初に連絡した時点で半分決まっていたのかもしれない。でもなぜそうなったのだろう。犬を飼う気などなかったはずなのに。けど今となれば、あのとき連絡してよかったと素直に思う。

おまけ動画:仔犬 大吉その1

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また犬と暮らしはじめた Vol.1 白い仔犬【穴澤賢の犬のはなし】 コラム いぬ /story_anaz/vj3v0g000000m6my-img/g6n2u9000000kqax.jpg 1 犬と暮らすのは楽しいけれど、笑ってばかりもいられない。かつて1DKで大型犬と暮らした経験から、そのことは重々知っている。
また犬と暮らしはじめた Vol.1 白い仔犬 作者プロフィール穴澤賢(あなざわまさる)1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に「ひとりと一匹」(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック「Another Side Of Music」(ワーナーミュージック vj3v0g000000m6my
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