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THE WANDERLAND for Dogs, Cats and Us
「necomimi」メイキングストーリー
[商品名]necomimi
[発売元]NeuroSky [仕様]サイズ:幅275×高さ150×奥行120mm、重さ:200g(電池含む)、
セット内容:ヘッドセット、耳パーツ、ヘッドバンド、電源:単4電池4本(別売)、稼働時間:約4時間
[通常価格]8,980 円 [URL] necomimi
話題の「necomimi」を開発したのは、プロジェクトチーム「neurowear(ニューロウエア)」。メンバーは、コミュニケーションメディアやテクノロジーに関わるプロフェッショナルの面々です。プロデューサーの神谷俊隆さん(写真中央)とテクノロジーディレクターの加賀谷友典さん(写真右)は数年前から脳波を使った未来のコミュニケーションを模索していたそうです。
「脳波を使って何かやりたいと考えてはいたんですが、脳波センサーのチップが高額過ぎて現実味がなかったんです。それがここ2〜3年でチップが数千円台と手の届く範囲になって、プロジェクトが一気に進みました」(加賀谷さん)
この脳波センサーのチップは、頭に装着して脳波を検出する仕組み。では、具体的にどんなカタチにするのかという点をプランナーのなかのかなさん(写真左)が提案したなかに、ネコミミを身につけた女のコのイラストがありました。
「『つくるべき形はコレです!』となかのさんが提案した10 数本のプランの中にネコミミがあったんです。頭につけるからといって、どうしていきなりネコミミなんだ? って(笑)」(加賀谷さん)
「実は帽子などほかのプランもあったのですが、帽子タイプだと頭のサイズに個人差があって万人にフィットしにくい。それで最終的にカチューシャ型のネコミミで構想を詰めることになりました」(神谷さん)
最終的に製品化されるまでには、毎朝毎晩、試行錯誤を繰り返しながら開発を進めたそうです。
「あくまで人間用の新たな器官としてのデザインを考えていたので、ネコのかわいい耳の動きと、人が身につけてかわいいと思える形になるか、そのバランスを大切にしました。会社のトイレの鏡で何度も耳の動きを確認してみたことも(笑)」(なかのさん)
2010 年秋にプロジェクトが始まり、2011年4月にプロトタイプ発表、昨年4月に製品化が完了、月末には幕張の「ニコニコ超会議」に出展……。
「普通の商品開発ではちょっと考えられないスピードだったと思います。我々も朝から晩までネコミミをつけて、バンドやモーターをつける位置を調整をしたり、動き方や動く向きを検証したりしていました」(神谷さん)
「製品化にあたって装着感や軽量化にこだわりましたが、いちばんのポイントは壊れにくいことと、価格を抑えることでした。いろんな環境で使ってもらうものなので、壊れにくいのは何より大切でした」(加賀谷さん)
最終的には、モーターの数を減らしたり、動く方向を絞り込み、最終形が完成。世にもラブリーなネコミミ形の最先端コミュニケーションツールがお披露目されることになったのでした。
取材協力・写真提供:neurowear/取材・文 清水たかこ
実際に編集室メンバーが「necomimi」を体験!