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犬のこと猫のこと 元祖 ふとねこ堂さんが描く猫国(にゃんごく)

  • vol.1

花魁(おいらん)猫に忍者猫……ここは江戸の街? いえいえ猫国(にゃんごく)なり。猫の楽園・猫国を舞台に猫たちの生き生きとした姿を描く絵師・元祖 ふとねこ堂さん。
緻密な描き込みの中に思わず「ぷぷっ」と笑ってしまうユーモアを潜ませています。作品を見た人は心をぐいっと掴まれること請け合いです。どうぞ浮世絵美術館に来館したつもりで、ごゆるりとお楽しみください!

文・取材/石黒由紀子

江戸なの?どこなの?猫国です

私がふとねこ堂さんの作品を見たとき、その緻密な描き込みに息をのみ心を奪われました。引きで見ると「江戸のどこかの大店での風景を描いた……?」と思いましたが、近くに寄って見るとそれだけではない。店のしつらえや売っている品物、絵の中に紛れた文字、擬人化された猫が着ている着物の柄など、そのすべてに心くばりが行き届いている。そして見れば見るほどに、自分がその絵の中に深く入り込んでいくよう。吸い込まれそうな、そして「吸い込まれたい!」と思えるような……。

作品名は「猫国屋台(にゃんごくやたい)」。おいしそうな匂いに誘われて、今日もにぎわっています

今回、元祖 ふとねこ堂こと小木曽由紀さんにお会いしてその感想をお話したら、「そうですか、そんなふうに見ていただけるとうれしいです。“見ている人が猫と遊んだ気分になってくれたらいいな”と思って描いているのです」と。

猫国の忍者たち、その名も「忍猫ズ(しのびねこズ)」

ふとねこ堂の由来は近所の猫だった!?

取材の日、待ち合わせの場所に現れた小木曽さんは、ほっそりとした素敵な女性で「ふとねこ堂」と名乗っていることに違和感がありました。なので、取材のはじめは名前の由来から。
「以前、住んでいた家の近くに太ったノラ猫がいたんです。はじめは警戒心が強くてにらまれていましたが、だんだん仲よくなりました。一度、私の家までついてきて、部屋の中に入ってきたことがあったんですよ。なにか言いたいことがあったのかもしれませんね。その猫に思い入れもあり、別のときにはもう1匹太ったノラ猫に出会いました。そんな経緯もあって猫のイラストを書くようになったときに、名前をもらったんです」。

ふとねこ堂を名乗るきっかけになった、近所のノラ猫を絵に描いたねこかるた

グラフィックデザインの仕事をされている小木曽さん。猫の絵を、しかも江戸風の世界とリンクして描くようになったのは何かきっかけがあったのでしょうか。猫好きが講じて……?
「猫は小学生のころから実家にいて大好きでしたけど、それがきっかけというわけでもないんです。2005年に、友人とデザインフェスタに参加しようということになりまして。で、そのときに、ちょっとした記念に、何かカタチのあるものを作ろうと思いました。そこで制作したのがねこかるたです」。このかるたには、名前の由来となった近所の野良猫・ふとねこ1号、ふとねこ2号も描かれ登場しています。

最初の作品となった「ねこかるた」と、ふとねこ1号2号のかるた札

「そのデザインフェスタのあとに、神楽坂で『ぽちぶくろ展』があったんですけど、そこに応募しました。えぇ、もちろん猫のイラストを描いて(笑)」。そのポチ袋が、『ねこのきもち』の表紙を撮っている写真家で「猫とアート」のさまざまなプロデュースも手がける板東寛司さんの目にとまったことがすべてのはじまり。「板東さんに声をかけていただいて、ギャラリーの企画展に参加したり、年に1回のペースで個展を開催して現在に至ります」。

ポチ袋のあちこちに、猫の要素がちりばめられています

 さらに広がるふとねこ堂ワールド

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