犬や猫のみみより情報やニュース、コラム、ドッグカフェ、動物病院などの施設情報は『いぬのきもちWeb・ねこのきもちWeb』
THE WANDERLAND for Dogs, Cats and Us
どんどん広がる猫国ワールド
作品は、企画展や個展の前にテーマを決めてから描きはじめるという小木曽さん。「絵を描くというだけでなくて、テーマや世界観を固めていくのが私にとって大切なことなんです。ひとつの作品にもストーリーがあるし、個展なら出品した作品に共通したコンセプトを持たせたい。“こんな感じにしたいな”というテーマを決めたらそれを具体的な文章にして、そこからイメージをふくらませて絵を描きます」。
![](../images/column/inumonnekomon_futoneko_01/img06.jpg)
五月五日の端午の節句に、子猫の体にきなこを振り掛ける行事「きなこ浴びせ」。ふとねこ堂さんが創作をした、猫国の伝統行事です
「今考えているのはこんな感じです」そう言って、小木曽さんが差し出し見せてくれたのはたのはスマホの画面。ふと思いついたときにそのフレーズを記録するのはスマホ。「江戸の世界観をスマホで書き留める、そのギャップはふとねこ堂さんの作風そのものだなぁ……」そんな気がして、ひとり、心の中でニヤリとしました。
元祖 ふとねこ堂さんの作品で特筆すべきは見立ての妙。江戸時代の絵師・歌川国芳にも通じる。猫で文字を作ったり、猫風味な家紋を考えたり。しかしそれらは古色蒼然とはならずに、どこかポップで愛嬌があって、それが作品の大きな魅力になっている。
「私が空想する猫国(にゃんごく)という国があるんです。そこで暮らす猫たちの物語を考えながら、暮らしのひとコマ、風俗を描きます。たとえば、“その人の今の気持ちにぴったりのものを出してくれる和菓子屋さんがある”とか、断片的に浮かんだはなしから絵にしていきます。絵を描くことよりも、考えることのほうが楽しいかもしれません(笑)」。
![](../images/column/inumonnekomon_futoneko_01/img07.jpg)
串に団子を刺して、タレに付ける動きをダイナミックに表現した「天下団子」
「2014年は4月に陶人形作家の小澤康麿さん、粘土人形作家の松本浩子さんと3人展をします。これは、絵の中と外を猫が自由に行き来するイメージです。そして秋には個展もあります。その他、雑貨屋さんで個展をする予定もあって、自分でも楽しみ。今後は、猫好きな方以外にもたくさんのみなさんに見ていただきたいです」。と小木曽さん。
![](../images/column/inumonnekomon_futoneko_01/img08.jpg)
松本浩子さん・小澤康麿さん・元祖 ふとねこ堂さんによる三人展「猫国戯画(にゃんごくぎが)」の告知カードより
そうそう、最後に聞いておきたかったことをちょっと失礼かなと思いつつお聞きしました「ふとねこ堂さんの作品には、ちょっとしたトラップというか、絵の中に暗号があったり“えっ、こんなところにも猫がいるの〜!”なんて驚きが隠されいるでしょう? それって、気づかれるのと気づかれないの、どっちがうれしいですか?」
小木曽さんは笑って「う〜ん。どっちとも言えないけど、“ココに、こんな隠れ猫がいます”なんてタネ明かしして、“わぁ、気づかなかった〜!”なんて驚いていただけると、うれしくなりますね。でも楽しんで見ていただくのが一番です!」
松本浩子・小澤康麿・元祖 ふとねこ堂三人展「猫国戯画(にゃんごくぎが)」
会場:ギャラリー猫町
期間:2014年4月17日〜27日(21〜23休廊)
プロフィール
-
元祖 ふとねこ堂
ねこを主体にしたイラスト、意匠、遊び道具などを製作。見た人が絵の中で遊べるような世界を目指して描いています。
HP:http://www.loftwork.com/portfolios/futo2go/profile
Twitter:@mojugiso
-
いしぐろゆきこ
愛犬誌や女性誌、WEBなどで日々の暮らし、犬猫に関するエッセイやモノのリコメンドを執筆。近著に『豆柴センパイと捨て猫コウハイ』(幻冬舎)。
http://www.blueorange.co.jp/yuruyuru/
突撃!うわさのいぬモン・ねこモン
![いぬねこ連載](/entertainment/images/pc/rensai/head.gif)