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ほそいあやのてくてくルポ ほそい家に子猫がやってきた!

  • vol.1

11/22(ワンワンニャンニャン)にちなんで、通常の連載はお休みして犬・猫への愛を形にする事をテーマにお送りします。

縁あって出会ったビッキーとテラ。2匹へお手紙を書きました。

ビッキーへ

あなたとの出会いは突然で、予想もしていなかったことです。
5年前、砂浜をふらふらと歩いて来たあなたは、人を恐れるでもなく、鳴くこともせず、何か食べ物をねだるわけでもなく、そこにいた私たち人間に寄り添ってきました。

広い砂浜で、いったいどこから湧いてきたのかと思うような唐突な登場だったので、誰かが落としていったのかな?と思うくらいでした。
しかし、それにしては長い間歩いてきたような、汚れたボロ布のような体……。本当に不思議な子猫でした。

犬や猫との出会いはそんなものなのかもしれませんが、見ず知らずのこの猫と、これまでの5年、そしてこの先の長い人生を一緒に生きる。自分の子のように遊んだり叱ったりするのです。考えると変な関係。

あなたは当たり前のように人のそばに居座り、仕事を邪魔し、ご飯を食べて、スヤスヤ寝ています。猫がいる生活といない生活は大違い。

子供のように血のつながりもないのに、すんなり受け入れてしまうのも不思議なものです。人間たちに気に入られやすいところが、あなた達猫という動物に備わった生きる知恵なのでしょうね。

小さいころから散歩をしていたので、あなたは毎日決まった時間になると玄関に行って鳴くようになりましたね。散歩に連れていけと。「犬きどりか、仕事増やすなー!」そう思いながらもあなたがてくてく歩く姿を見ていると飽きないのです。か弱くも探検家の足取りで、目は常に好奇心に満ちている。いつの間にかその姿が近所の名物となりました。

あなたは刺激を求めるタイプの猫なんだと思いました。やがて、車に乗せて色んな所に連れて行くようになります。そのたびに目がきらきらとして、成長するにつれてリードを引っ張る力も強くなり、本当に犬を飼っている気分になりました。

旅行の帰りに遊び疲れて後部座席で寝こけているのを見ると、5年前に海で拾って連れて帰ったときのことが頭をよぎります。あの日、どうにか命拾いをしたあなたは、車の中でぐっすり眠っていましたね。
これからも色んな所に一緒に行けるといいと思っています。

テラへ

ビッキーの相方として我が家へきた君は、本当にいたずらばかりしていますね、今このときも。
ビッキーが子供のころよりも悪さの回数が多いのは困りものだけど、呼ぶと返事をするのは君の特技だと思います。面白いので何度も呼んでしまってごめんなさい。

よく「にゃっにゃっにゃっにゃっ、にゃっにゃっにゃっ」とひとりごとを喋りながら小走りにやって来るけれど、あれは何て言ってるんですか?
いずれにせよ、よく鳴く猫です。

肝心のビッキーと君の仲は、はっきり言ってよいとは言えません……。君が執拗に追い回すからだよ。
首に噛みついて堪忍袋の緒が切れたビッキーに反撃されるのを見るのは、実はちょっと面白いと思って観察しています。無言で前足を振り下ろすビッキーから逃げずにそれを楽しんでいるのは、君にとっては新しい遊びなんでしょうか。
もうケンカも見飽きたので、そろそろやさしく遊んでください。

ひととおり家の中を知り尽くした君を、ビッキーに倣って散歩に連れて行った日のことを思い出します。
不安げな表情を見せながらもちゃんと歩いてくれて安心しました。

あと、ひとつ個人的な質問があるんだけど、なんでそんなに耳が大きいの? 前世がウサギなの?

……とりとめのない手紙になってしまったけれど、これからも2匹とも健康で、ほどほどに仲よくしてくれたら飼い主の私は満足です。
そんな感じで、これからもどうぞよろしくお願いします。

追伸:
観葉植物をかじらないでください。追いかけっこをして棚のハニワを落とさないでください。金魚鉢の水を飲むのはいいけど水草まで食べるのはだめです。テラは網戸に登るのもいいですが(ダメですが)いいかげん自分の体重を考えましょう。人がトイレから出るのを待ち伏せするのはいいけど、ドアの裏に隠れるのはやめてください。開けるとドアの裏から小さくフギャと聞こえると焦ります。それと最重要事項ですが、布団におしっこをしないでください。

おわり。

次回予告

ほそいさん&愛猫 プロフィール

ほそいあや

ライター&Webデザイナー。犬猫好き。7歳の時に拾った雑種犬と姉弟のように育つ。一緒に川で泳いで溺れかけた経験あり(自分が)。その数年後に猫が加わり、犬の散歩についてくるようになる。
現在はゲルマニウムローラーで野良猫をコロコロするのが趣味。
HP:http://seiten4go.com   Twitter:@hosoi

ビッキー(メス・mix・4才)

4年前の夏に海岸で地引き網をしていたら、どこからともなく薄汚い子猫がヨロヨロとやって来て人のそばで眠り始めた。
上空にはトンビが旋回していたのでとりあえず保護、里親を探すつもりで家に連れて帰るも、結局、飼うことに。育つに従いどんどん毛が長くなり、洋猫の長毛種と日本の三毛が混ざっているような説明しづらいデザインの猫となる。名前のビッキーは地引き網が由来。

テラ(オス・mix・0才)

親戚宅のお寺で通い猫が3匹の子猫を生み、そのうちの一匹を引き取る。
寺で生まれたのでテラと命名。ビッキーのことを慕っている。

 ビキ・テラ散歩、ときどきルポ

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ビッキーへ コラム ねこ /try/g6n2u9000000m0fz-img/g6n2u9000000m0hc.jpg 1 ビッキーへ
11/22(ワンワンニャンニャン)にちなんで、通常の連載はお休みして犬・猫への愛を形にする事をテーマにお送りします。縁あって出会ったビッキーとテラ。2匹へお手紙を書きました。ビッキーへあなたとの出会いは突然で、予想もしていなかったことです。 5年前、砂浜をふらふらと歩いて来たあなたは、人を恐れるでもなく、鳴くこともせず、何か食べ物をねだるわけでもなく、そこにいた私たち人間に寄り添ってきました。広 g6n2u9000000m0fz
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