犬や猫のみみより情報やニュース、コラム、ドッグカフェ、動物病院などの施設情報は『いぬのきもちWeb・ねこのきもちWeb』
THE WANDERLAND for Dogs, Cats and Us
タレント活動だけでなくドッグライフコンサルタントとしても活躍中の松本秀樹さん。ペット番組でのまさお君との絶妙なコンビネーションは、今でも人々に鮮やかな記憶を残しています。すべての犬に“恩返し”がしたい——そんな松本さんのさまざまな想いについて、お話を伺いました。
松本秀樹さんプロフィール
-
松本秀樹 Hideki Masumoto (お笑いタレント、ドッグライフコンサルタント)
1974生まれ、大阪府出身。2000年10月にスタートした「ペット大集合!ポチたま」の「ポチたまペットの旅」コーナーで、初代旅犬・まさお君と日本全国を旅し、2006年からは2代目・だいすけ君と、2012年からは3代目・まさはる君と旅を続けている。
「Natural Dog Style」の代表理事も務め、ペット啓蒙・教育や殺処分0活動や東日本大震災のペット支援活動など、ペットに関するさまざまな活動を展開している。浅井企画所属。
http://ameblo.jp/macha-daichi/
ライバルから相棒へ、まさお君との出会い
松本さんの名を世間に広めたことといえば、まさお君と全国を旅して回るペット番組のコーナー。現在は愛玩動物飼養管理士や愛玩動物救命士など動物関連の資格を多数持ち、トレーナーとしても活躍している松本さんですが、2000年10月に番組のコーナーがスタートした際、心のうちにあったのは現在とはまったく異なるものだったようです。
「番組はゴールデンタイムの放送でしたし『とにかく目立たないかん!』と。まさおはどちらかというとライバルでした。どっちがテレビに長く映るか……みたいな。でも一緒にすごしていくうちに、まさおは相棒なんだと気がついたんです」
時には仕事から帰って「今日はまさおとチューしてない!」と気づいて寂しくなることもあったそう。まさお君への愛を深めていくうちに「犬って何だろう?」と思ったことから、犬について勉強し始めたと話します。
「まずネットで調べてみたら犬について勘違いしていることも多くて……犬が尻尾を振るのは必ずしも喜んでいるわけではなくて、あれは興奮メーターみたいなものなんですよね。ひとつひとつ“犬のホント”を理解していきました。資格をいくつか持っているのも、犬のことが知りたい!と思ったことがきっかけで勉強を始めたんですよ」
単純に犬を愛するだけでなく、正しい知識を得ることでお互いの信頼関係も深まる。これは松本さんの活動の根幹をなす部分だといえるでしょう。
お別れを経て、人間的にも変化が
「まさおとお別れのときは、それはもう切なくて……。もう歩けないと聞かされていたのですが、最後のお見舞いに訪れたとき、まさおが立ち上がったんです。僕に歩み寄って膝の上で寝てくれたのですが、それくらい僕を好きでいてくれたんだ、まさおがいなくなることはこんなに悲しいんだと改めて感じました」
命の大切さやはかなさを感じてからは、イライラしたり怒ることが減ったという松本さん。まさお君とのコミュニケーションの中で「僕がどんな行動をとれば安心してもらえるだろう」と相手の立場に立って考えることが、自然と身についていったそうです。
そして印象深いのが「100点満点を目指すことをやめた」という一言。
トレーナーとして活動しているときも、しつけに悩む飼い主には、たとえ完璧でなくとも「前よりも良くなること」を目指すよう伝えているといいます。
「犬にも個性があるので、ガチガチにならないで。得手不得手を見つけて、できるところを褒めてあげればより良い関係になると思います。犬とはいつかお別れのときが来るもの。犬との“今”を楽しむことも、大切なんです」