『いぬのきもち』2015年1月号では、飼い主さんの「こんなときに鳴くのは、どんな気持ち?」の疑問を検証した【鳴き声でわかる 犬の気持ち】を特集しています。 いぬのきもちWebでは読者の方が撮影をした犬の鳴き声ムービーを大公開! 本誌では伝えきれない、実際の「鳴き声」をお届けします。
監修:藪田慎司先生(帝京科学大学生命環境学部アニマルサイエンス学科准教授)
犬は、祖先であるオオカミよりもよく鳴き、さまざまな場面で多様な鳴き声を発します。これは、飼い主である人間とのコミュニケーションの中で自分の気持ちを伝えるために生じた進化的な変化だとも考えられています。
基本的には犬の低くにごった声は攻撃的、高く澄んだ声は友好的もしくは服従的な鳴き声と考えられています。(藪田慎司先生)
【どんなときに鳴くの?】
フードや袋の音などゴハンの音に敏感で、食べ物の気配に気づくとオスワリやフセをして高い声で鳴きます。
『ゴハンがもらえそうでもらえていないということへのもどかしさから思わずもれた声のようですね。ふだんからイイコにしたごほうびにゴハンを与えているのであれば、それを学習してフセをしてゴハンを待っているとも考えられます』
【どんなときに鳴くの?】
家の中や窓の外など、誰もいない場所に行って鳴くことが。何かの気配を感じているのかな?といつも不思議に思っています。
『何かがこすれると超音波が発生し、犬はこれを聞くことができます。それで人が気づかない人や犬などの存在等、外のこまやかな様子に気付いて鳴いているのでしょう。何かの気配を感じて好奇心いっぱいの感情かもしれませんね』
【どんなときに鳴くの?】
おもちゃで遊ぶとき、おもちゃを投げるのをじらしていると、しばらくして高い声で「ワン!」と鳴きます。しびれを切らして「早く投げてよ!」と言っているようです。
『高い声の「ワン」は友好的な感情なので、遊びのなかで飼い主さんと成立した「投げて!」の合図として鳴いているよう。鳴かないようにしつけられている犬が、投げてほしいのにじらされて、我慢できずに出た声とも考えられます』
【どんなときに鳴くの?】
「ダメでしょ!」と叱ったあと、私と主人を見上げて「フガフガフガ」と人間が話すように声を出します。叱られたことが不満で文句を言っている?
『「フガフガ」など高い声で鳴くときは服従的な感情かも。「ごめんなさい、もう叱らないでー」と飼い主さんに伝えるために声を出しているようです。もう叱らないよ、と態度で示して安心させてあげるといいでしょう』
【どんなときに鳴くの?】
私が帰宅したときに「アオーン」と遠吠えのような鳴き声で出迎えてくれます。カバンを置いてなでるまで鳴くので「早くかまって!」と鳴いている?
『犬の遠吠えは、飼い主さんがいないときに出やすい鳴き声です。シェフチェンコちゃんの場合は、最初は飼い主さんがいない状況で遠吠えをし、たまたま飼い主さんが帰ってきたことなどがごほうびとなって強化されたのでは。それで帰宅時にある程度意図的に遠吠えをしているのかも』
【どんなときに鳴くの?】
庭に人や猫など見慣れないものが入ってくると、入ってきたものと私を交互に見て「ワンワン!」と鳴く愛犬たち。「見慣れないものが入ってきた」と教えてくれているように思えます。
『高くもない低くもない「ワンワン」は本来警戒の声。飼い主さんを見る前後に窓を開けようとする行動も見られるので、外を警戒しながら窓を開けてと要求しているよう。その声が結果的に飼い主さんに見慣れないものが入ってきたことを知らせてくれているようです』
【どんなときに鳴くの?】
らんが寝ているとき、何か鳴いているときが。これって寝言なのでしょうか?
『寝ているときに声を出すのは、犬も夢を見ていて人間と同じように夢に関する寝言を言っているのかもしれません。どんな夢を見ているのか、夢の中身が気になりますね』