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幼い頃の大吉【穴澤賢の犬のはなし】

幼い頃の大吉

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福助の子犬時代から現在に至るまでの変化の話を書いたので、大吉のことも振り返ってみよう。
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前回は福助がわが家に来たころの話をしたが、思い返すと大吉は正反対だった。家に連れて帰った瞬間から警戒心のかけらもなく、無防備に「こてん」と寝ていた。悪さもほとんどせず、トイレもすぐに覚え、子犬時代に手を焼いた記憶がほとんどない。
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幼い時期特有のやんちゃさはあったが、富士丸で大型犬の幼少期を経験している私からすれば、たかがしれている。大吉は本当に手のかからない「よいコ」だったように思う。それは今も変わらない。福助とはえらい違いだ。同じ犬でもこんなに違うのかと驚く。
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何より、ひいき目もあるが子犬時代の大吉はとにかくかわいかった。第一印象こそ「(写真で見たより)白くない」だったが、整った顔で、しぐさも何もかもが愛おしく感じた。富士丸の死後、触れなくなっていた一眼レフに再び手を伸ばしたのも、その姿を写真に残しておきたかったからだ。
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拙著「またね、富士丸。」の文庫版のあとがきにも書いたが、大吉が来てからの心の変化は相当なものだった。大吉が来る前も、普通に生活していたし、笑ったりもできるようになってはいた。が、なんとなく「灰色の世界」にいるような感じだった。ただ、当時はそんな自覚はあまりなかった。
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大吉がそばにいることによって、目に見える世界がみるみる彩りを取り戻したため、後になってそれが灰色だったとはじめて気づいたような感覚だ。今は目標や夢もあるし、まだまだやりたいことはたくさんある。「灰色の世界」にいたころは、そんなものはまったくといってもいいほどなかった。
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考えてみれば、大吉がいなければカヤックフィッシングもやっていないだろうし、そもそも鎌倉に移り住んだりもしていないのではないのかと思う。別に海の近くに引っ越したのは大吉のためではないが(彼は海にまったくときめかない)、そんな意欲も湧いてこなかっただろう。
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そういう意味で、大吉は私の生き方に大きな影響を与えている存在といえる。いってしまえばたかがミックス犬なのに、すごい力を持っているんだなと改めて思う。
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