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「さくらねこ」活動の取組み【犬のこと猫のこと】

何の罪もない猫たちが 年間13万匹も殺処分されている日本の現実を変えたい…。 「さくらねこ」活動の取組み

「さくらねこ」を知っていますか?
避妊・去勢手術をすでに受け、そのしるしとして、耳の先っぽが桜の花びらのような形にカットされたノラ猫たちのことです。でも、なぜノラ猫をつかまえて、わざわざ獣医師に手術をしてもらうの? しかも、耳までカットされてかわいそう……? いえいえ。この活動の背景には、飼い主がいない猫たちが、年間13万匹(平成23年度)も殺処分されているという日本の現実があります。

さくらねこは「愛され猫」のしるし

さくらねこの活動を進めているのは、昭和63年(1988年)に動物とヒトの幸せな共生を願って設立された「公益財団法人どうぶつ基金」。毎年全国でたくさんの猫たちが、飼い主を見つけられず、いとも軽々しく命を奪われているという現実を変えたい——。
そんな思いから、平成16年度(2004年)より「猫の殺処分ゼロ」を目指すこの活動はスタートしました。
では実際にどのようにして、ノラ猫たちに手術を受けさせているのでしようか?
具体的には猫ボランティアさん(地域住民と飼い主のいない猫との共生を目指す地域猫活動の一環として、猫にフードを与えお世話している人)たちに協力してもらい、捕獲器で捕まえて協力獣医師に去勢・避妊手術をしてもらったあと、もとの場所に戻すという地道な活動の繰り返し。子猫を産まなければ不幸な猫が増えることもなく、殺処分する必要もなくなります。さくらねこは「この猫のうしろには世話をする優しい人がいますよ」というしるし。痛みを感じないように、手術の麻酔中、耳先を桜の花びらのようにV時に少し切ります。これをさくら耳といい、このような去勢・避妊手術をされた猫を「さくらねこ」と呼びます。

無料で手術を受けられる仕組み

しかし、避妊・去勢手術にはお金がかかります。
そこでどうぶつ基金では、ノラ猫たちが無料で手術を受けられる仕組みをつくりました。まず地域のボランティアがどうぶつ基金に申請し、審査に通ると、チケットが発行されます。このチケットを協力動物病院に持参すれば、無料で手術が受けられます。趣旨に賛同し、この事業に限ってボランティア価格で手術を行ってくれている動物病院には後日、どうぶつ基金から費用を支払います。
こうした手術費用は、おもに寄付金で成り立っています。

さくらねこの増加とともに殺処分数が減少傾向に

平成16年度から24年度までに手術を受けた猫は6200匹。環境省によると、この期間で猫の殺処分数は23万匹から半数近くの13万匹(平成23年度)に減少しました。多くの小さな命が奪われている現実はまだまだ変わりませんが、「このデータに、私たちの活動の効果と手応えを感じています」と、どうぶつ基金理事長の佐上邦久さん。
公益法人どうぶつ基金理事長の佐上邦久さん
どうぶつ基金では「いのちつないだ ワンニャン写真コンテスト」を開催しています。
これは、ボランティアがお世話をしているさくらねこ(地域猫)たち、保護をされて新しい飼い主さんが見つかった犬や猫など「本当なら殺されていたかもしれない小さな命」とともに生きることの素晴らしさを広く知ってもらうための写真コンテストです。
小さな動物たちの可愛い表情やリラックスした姿、ユーモラスなしぐさなどが、私たち人間に温かい気持ちをいっぱいくれます。
「いのちつないだ ワンニャン写真コンテスト」の情報は、どうぶつ基金Webサイトに詳しく紹介されています
文・構成 本吉恭子/写真提供 公益法人どうぶつ基金
今回の記事は『ねこのきもち』2013年5月号掲載の内容をもとに、追加取材を行い、作成したものです。

公益法人どうぶつ基金

「さくらねこ無料不妊手術」協働ボランティア申請のまえに

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