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犬飼いの防災対策について考える〜グッズ編(2)【穴澤賢の犬のはなし】

犬飼いの防災対策について考える〜グッズ編(2)

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これまでに、もしものときに備えて『動物と共に避難するための準備と心構え』などを専門家の方に伺ったりしてきた。では、具体的にどんなグッズを備えておいたほうがいいのだろうか。今回はそのあたりのことついて、東日本大震災で救援活動も行ってきた「犬のしつけ教室DOLGY」の代表、荒井隆嘉さんに話を伺ってきた。前回は、防災グッズをプロデュースするに至ったきっかけをお聞きしたが、今回はその内容の話。

実体験があるから納得のアイテム

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写真右:犬のしつけ教室DOGLY代表 荒井隆嘉さん

穴澤:震災での救援活動をもとにDOGLYがプロデュースをした防災グッズ、その中身について教えてください。
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荒井:まずは①「非常用持ち出し袋」です。この中にこれから紹介する防災グッズ一式を入れて、玄関などに置いてすぐに持ち出せるようにできるようにしました。袋には名前や住所、緊急避難場所を書く欄があって、だれの持ち物かわかるようになっています。裏面には愛犬の写真をプリントしておきます。
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穴澤:うちはそういうものをまったく用意していませんでした。

荒井:犬は保護したけれど、名前も住所もわからないということがあったので、愛犬の写真をプリントしておくのは、この防災袋がだれのものなのか、持ち主がだれなのかわかってもらうためです。さらに②が「ワンちゃん情報カード」でここに写真つきで細かい情報を書いておくといいでしょう。
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穴澤:震災のときは首輪が取れてしまっていた犬が多かったそうですね。

荒井:そうなんですよ。それで、近所の人が首輪をしていない犬に一時的に違う首輪を付けていたりするケースもありました。「私の犬は赤い首輪をしているんです」と言って探しても実際は青い首輪をしていたりして、それが原因で何カ月も飼い主さんと出会えないケースもありましたから、首輪の色はあんまり信用できないです。

穴澤:うちの犬は2頭ともマイクロチップを入れていますが、それでもチップを読みとるリーダーがないとわからないですもんね。

荒井:はい。震災以降は増えたみたいですが、当時は石巻あたりでマイクロチップを入れている犬なんてほとんどいなかったと思うんです。

穴澤:そうですよね、僕も震災以降ですから。
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荒井:震災が起きるまでは僕も飼い主が本気で探せばマイクロチップなんて必要ないんじゃないかと思っていたんですよ。でも、飼い主が亡くなってしまうと犬は自分の名前も言えないわけで、そうするとマイクロチップはすごく大切だなと考えるようになりました。とにかく、首輪だけでなく、二重三重に犬の情報をきちんと記しておくのはとても重要だと思います。

穴澤:たしかに。
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荒井:それから③が「ビニール袋(100枚)」で④がウンチ用袋の「ぽい太くん」です。実際にウンチ袋がないので愛犬のウンチをそのまま放置したということがけっこうあったんです。

穴澤:まぁそんな状況でもないでしょうしね。

荒井:ただ、下水道の不通や、衛生環境の悪化によってハエが大量に発生して大変だったんです。僕が行ったときは、道ばたにマグロの死骸とか転がっていましたし、すごく生臭くて。臭いだけではなくて、衛生面の悪化は伝染病の蔓延につながったりしますから、ウンチ袋はあったほうがいいです。また、かさばらないビニール袋もさまざまな用途に応用できるので持っていて損はないですね。

穴澤:あぁ、ハエの大量発生は聞いていました。なるほど。
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荒井:あと⑤が「給水袋」です。水を入れるものがなかったので、かといって大きな器を持ち運ぶのは大変なので、かさばらなくて丈夫な袋を選びました。

穴澤:これで何リットルくらい入るんですか?
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荒井:3リットルは入ります。ワンちゃんにあげるお水やちょっとした洗い物や飲み水にはとりあえず足りると思います。

穴澤:ペットボトルを持ち運ぶよりはいいですね。

荒井:そして⑥が「トイレシート」。避難所など、犬が室内でそそうをしてしまったときに拭き取ることができて便利です。トイレシートは吸水性がすぐれていて、食べ物やちょっとした汚れを処理するにも便利なので、最低でも10枚くらいは持っておきたいです。

穴澤:たしかに犬飼いにとって、トイレシートはあったほうがいいアイテムですね。
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荒井:それから、僕らが石巻に行ったときは、とても寒かったんですよ。4月でも雪が降る状態で。そんなときにあれば便利だと思ったのが⑦「エマージェンシーブランケット」です。これ、手のうえに置くだけでわかるのですが、保温性にすぐれているんです。
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穴澤:ホントだ。ほんのり温かい。

荒井:体に巻くともっとわかりますよ。
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穴澤:すごい。巻いてすぐ温かい。屋内だと暑いくらいですね。

荒井:これで風よけにもなるし、愛犬といっしょに温まることができるんです。最悪のケースですが、外に犬をつなぐときもケージの上にかぶせてあげるだけでずいぶん違うと思います。

穴澤:こんなにぺらぺらなのに。
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荒井:だからすごくかさばらないんです。でも220cm×140cmあるので、全身に巻くことができます。毛布だと持ち運ぶのが大変ですが、これだとコンパクトなので。これがあればワンコも人間も雨風をしのぐことができます。何回も使えますし。

(つづく)

次回予告
防災グッズ紹介の後半です。次回も「なるほど」の連続です。
穴澤賢の最新刊『また、犬と暮らして。』発売中
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