犬や猫のみみより情報やニュース、コラム、ドッグカフェ、動物病院などの施設情報は『いぬのきもちWeb・ねこのきもちWeb』
THE WANDERLAND for Dogs, Cats and Us
災害から愛猫を守るために、
飼い主さんができること
ただし、今回の東日本大震災のように想定外の規模・種類の災害にはあてはまりにくい内容も含まれておりますので、あらかじめ、ご了承ください。
▲ページトップに戻る
災害が起こる前から備えておきたいこと
- 災害時は、動物より人の安全が優先なのは、やむを得ません。だからこそ、愛猫の身は飼い主さんが守れるよう事前の備えが必要です。
- 緊急事態に備えて、愛猫には首輪をつけ、飼い主さんの情報を記した迷子札をつけておく(首輪に直接記入する手もあります)。
また動物病院でマイクロチップ(個体識別できる電子標識器具)を愛猫の体に装着してもらうことも、愛猫の身元を明らかにするのに有効です。 - 住まいに近い避難所がペットの受け入れ可能かどうか自治体に確認しておきましょう。また避難所までの避難経路とその安全確認も忘れずに。
- 避難所では、ハウス(キャリーケース、ケージ)の中に猫を入れておく場合が多いので、ふだんからハウスに入るクセをつけて、「ハウスは安心して休める場所」と覚えさせておきましょう。そうすれば、猫のストレスも減り、災害による興奮が早く落ち着くことも。
- 持病のある猫は、命にかかわる薬や処方食はすぐに持ち出せる所に置き、避難する場合は、忘れずに持参してください。
- 職場や学校などに私物を置ける場所があるなら、飼い主さんの非常用持ち出し袋に愛猫のフードや、水、薬なども少し入れておくといいでしょう。
- 避難所には多くの動物が収容され、愛猫のストレスや体力が落ちることで、感染症が蔓延することも。日ごろから予防接種やノミ・ダニの駆除等、愛猫の健康管理をしっかりと。
災害に備えて用意しておきたいもの一覧
- 愛猫を運び出す道具(キャリーケース、リード。複数飼いの場合は、家族の中でどの猫を誰が担当するか、事前に決めておく)
- 持病のある愛猫は、服用している薬と最低1週間分の処方食
- 最低1週間分のフードと水
- ペットシーツとトイレ砂
- 洗濯ネット(キャリーケースからの飛び出し防止に)
- (あれば)病歴を記した手帳
- お手入れ用品
- タオル、毛布など(お手入れや防寒に)
- 愛猫と飼い主さんが一緒に写った写真(愛猫が行方不明になったときに役立つ)
- ハーネス(もあればベター)
▲ページトップに戻る
被災して避難したら
- やむを得ず愛猫を自宅に残して避難しなければならないときは、たっぷりの水と1週間分のフードを置いて行ってください。
- 飼い主さん自身が無事でいることこそ、愛猫を助けることになるので、まずは、自分の身の安全を確保してください。
- 避難所には被災で心や体に大きな傷を負った方や、猫が苦手な方、動物アレルギーの方等さまざまな方がいるので、まわりの方への配慮が大切です。
- 沢山の人や猫や猫以外のペット動物が出入りする避難所。愛猫が警戒心が強い・怖がり・見知らぬ人や他の猫が苦手などの場合は、ハウスにタオルをかけるなどして視界をさえぎるなどの工夫を。
- 車内で避難生活を送る場合は、飼い主さん自身がエコノミークラス症候群になったり、愛猫が熱中症にならぬよう、十分な注意を。
日本獣医師会のホームページにて、専門家による見解「福島第一原子力発電所の事故に起因する放射性物質の動物への影響等」が掲載されています。
- 現時点においては、福島第一原子力発電所を中心に設定されている避難対象地域の外で飼育されている動物については、放射線による健康被害の心配はない(2011年4月1日現在)
- 犬と猫の放射線影響は人と大きな違いはない
- 動物に汚染がないことの確認方法や除染方法に関して
など。
http://nichiju.lin.gr.jp/topics/topic_view.php?rid=385
【放射線ヨウ素が検出された水の愛犬・愛猫への影響について】
水道水に放射性ヨウ素が検出された件で、愛犬・愛猫の飲み水について、心配されている飼い主さんは多いことと思います。
北里大学獣医学部長で、獣医放射線学の権威である伊藤伸彦先生に、この件についてお伺いしました。
「犬や猫に対しての放射能の影響は、具体的な研究データがありませんが、少なくとも犬の放射線感受性は人間に近いことから、成犬・成猫は成人の暫定基準値、成長過程にある1才未満の子犬・子猫は、人の乳児の暫定基準値を元に気をつけてあげればいいでしょう」とのこと。(成人の基準値300ベクレル/kg、乳児100ベクレル/kg)
そして、現在、厚生労働省の発表しているように、「仮に一時的に摂取したとしても健康に影響が出る数値ではない」ので、「ミネラル分(カルシウム、マグネシウム)を多く含むミネラルウォーターよりは、水道水のほうが、犬や猫の場合は健康への影響は小さい」とのことです。
それでもミネラルウォーターを与えたい、という方は、ミネラル分の量(=硬度)が、60mg/リットル以下の「軟水」を与えてください。ミネラル分が多い「硬水」を長期に渡って与えると、結石などの原因となります。
また、お茶類には、カフェイン・タンニンなどが含まれているので、与えないようにしてください。
繰り返しになりますが、人の乳児と同様に気をつけてあげるのは大切ですが、仮に摂取したとしても、健康に影響が出る数値ではないので、落ち着いて行動してください。