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犬のこと猫のこと 愛犬のための防災

もしもライフラインがストップし、道路が寸断されてしまうような大災害に襲われたら……。そのとき、あなたは愛猫を守ることができますか? 前回前々回は犬の防災についてご紹介しましたが、今回は東日本大震災の教訓から今すぐ愛猫のためにできる備えをまとめました。

猫用の物資がない! そのとき……

従来の防災の常識をはるかに上回った、東日本大震災の甚大な被害。以前は「猫のフードは5日間分備えておけば大丈夫」とされていましたが、東日本大震災では2週間前後、救援物資が届かなかった地域もありました。愛猫のために今、本当に必要なことを見直してみました。

今すぐ、準備したいこと

(1)フードと水の準備
最低1週間分、できれば2週間分のストックがあるとよいでしょう。職場などにも小分けタイプのフードを数袋常備しておくと、万が一、家の中が散乱していても急場をしのげます。災害時は愛猫を残して避難を迫られることもあります。その場合は、猫が食べられるようフードの封を開けて避難しましょう。バケツなどにたっぷりの飲み水も用意して。

フードは賞味期限に注意をしながら、日頃から食べ慣れているものを常備。水はミネラル分が多いと尿路結石になるおそれもあるので、硬水ではなく軟水を用意しておくとよいでしょう。

(2)迷子札を付ける
愛猫の名前や飼い主さんの連絡先などを記入した迷子札を、必ず首輪に付けておきましょう。とはいえ、首輪は引っ掛かって猫の首を圧迫する心配があるため、すぐ外れるタイプが安心。ホームセンターやペットショップなどで購入できます。
また、猫の首すじに電子式の名札「マイクロチップ」を挿入しておくと、自治体や動物病院にある読取器(リーダー)を当てるだけで、身元確認が可能。挿入は動物病院で行っています。

マイクロチップは猫の皮膚を触診し、異常がなければ肩甲骨の間に挿入します

(3)名前を呼んだら反応する練習
愛猫を捜すことになったときのために、名前を呼んだら鳴いて返事をするか、寄ってくるように練習をしておくと安心。練習の方法は名前を呼び、猫が鳴くか近付いてきたら、おやつをあげて。これを繰り返すことで、猫は「名前を呼ばれて反応すると、いいことがある!」と覚えます。

フードやおもちゃを使った日頃のコミュニケーションが、万が一のときに役立ちます

(4)安全な室内づくり
食器棚や窓にガラス飛散防止シートを貼る、棚の中のものが飛び出さないように扉をロックする、家具に転倒防止金具をつけるなど、安全な室内づくりをしておきましょう。猫タワーも倒れないようにしっかり固定を。

万が一の破損や転倒に備え、室内環境の整備も大切です。

(5)キャリーケースに慣れさせておく
キャリーケースは災害発生時、猫を安全に運ぶために必要。ふだんからキャリーケースで食事させたり、お気に入りの布を中に敷いて慣れさせておくとよいでしょう。また、避難所では猫はケージに入るのが一般的。できれば家にケージも用意し、慣れさせておくと安心です。キャリーケースに慣れていれば、ケージにも慣れやすい傾向です。

押し入れなどにハードタイプのキャリーケースを置き、猫の避難スペースをつくっておくのも〇
上から物が落ちてきてもケガをせずに済みます

(6)人にできる限り慣れさせておく
避難所で生活するとき、飼い主さん以外の人に慣れていないために猫がストレスを抱えることも。できれば日頃から多くの人に会わせて慣れさせておくと猫の負担を軽減できます。

(7)地域の動物救護態勢を確認
住んでいる地域の指定の避難所に猫も一緒に入れるのか、自治体のペット担当、または防災担当の課の窓口にあるパンフレットなどで確認を。動物救護態勢についても確認しておくと安心。

東日本大震災の折、宮城県石巻市内に設置された動物救護センター

(8)愛猫の預け先を考えておく
愛猫たちと避難所へ入れない場合、動物救護センターで一時的に預かってもらう方法もあります。前もって設置場所を決めている地区もあるので獣医師会や自治体に確認を。また、預かってもらえそうな親戚や知人などの連絡先を控えておいて。預かり先が見つからない場合に備えて、ペットと一緒に避難生活をするテントや、車に避難生活用品を前もって用意しておくのも安心です。

(9)ご近所さんと交流をはかる
近隣の人にふだんから愛猫の写真を見せるなど、コミュニケーションをとっておくと、愛猫とはぐれてしまったとき、目撃情報などをもらいやすくなります。また、町内の避難訓練などにこまめに参加しておけば、避難所に動物用スペースを設けてもらう交渉がしやすくなることもあるでしょう。

(10)避難訓練をする
猫の持ち出しグッズを運び出せるか、あらかじめ確認を。とくに複数飼いなら、家族で何を運ぶか役割分担を決めておくとスムーズです。猫の代わりに、水を入れたペットボトルなど、同じ重さのものをキャリーケースに入れて運んでもOK。

訓練時は猫を無理にキャリーケースに入れる必要はありません。水を入れたペットボトルなど猫の体重に近いもので代用を

(11)複数の動物病院の連絡先を控えておく
災害時は、主治医も被災して診察できなくなる可能性も。愛猫が避難中に体調を崩したとき、ほかの獣医師に診てもらうことも考え、避難所近くにある複数の動物病院の連絡先と場所を調べておいて。

(12)ワクチン接種など健康管理を
避難先などでは、多くの動物や人との接触が予想されます。そのため、感染症にかからないようワクチン接種が必須。人にうつさないようにノミ・ダニ予防と駆除も大切です。また、発情した猫が原因で、ほかの猫を興奮させてしまうなどの恐れもあるので、去勢・避妊手術はすませておくほうが安心です。

宮城県から県外の避難所に飼い主さんと一緒に避難をした猫が健康診断を受けているところ 
※写真提供/緊急災害時動物救援本部

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猫用の物資がない! そのとき…… コラム いぬ /inunekonokoto/g6n2u9000000lh8v-img/g6n2u9000000lha8.jpg 1 愛猫のために備えておきたい
もしもライフラインがストップし、道路が寸断されてしまうような大災害に襲われたら……。そのとき、あなたは愛猫を守ることができますか? 前回と前々回は犬の防災についてご紹介しましたが、今回は東日本大震災の教訓から今すぐ愛猫のためにできる備えをまとめました。猫用の物資がない! そのとき……従来の防災の常識をはるかに上回った、東日本大震災の甚大な被害。以前は「猫のフードは5日間分備えておけば大丈夫」とされ g6n2u9000000lh8v
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