DOG IN TOTAL主宰。家庭犬の出張個別レッスンのほか、動物愛護センターや保健所、イベントなどでの出張しつけ教室の講師、雑誌や書籍の監修指導など、幅広く活動。日本動物病院福祉協会認定、家庭犬しつけインストラクター、ジャパンケンネルクラブ公認訓練士、日本警察犬協会公認訓練士、さいたま市動物愛護推進委員。
愛犬との遠出やお泊まりの時、しつけをしている犬とそうでない犬では、飼い主さんの負担は大きく違ってきます。せっかく楽しい思い出を作るためのお出かけですから、事前に、クレートに入れる、車の中で静かにしていられる、そそうをしないなど、ドライブやお泊まりに必要なしつけをしておくとよいですね。
大型犬でも小型犬でも、車内ではしっかり固定されているドッグゲージやクレートに入れることが必須。または、ドッグハーネス(愛犬用シートベルト)で固定してあげましょう。これは急ブレーキや、万一の衝突時に愛犬が投げ出されたり、シートから滑り落ちることを防ぎます。どちらも、犬にとっても、人間にとっても安全上大きな意味を持ちます。また、長時間のドライブなら、振動が少ないこと、空調が後部座席についていることなどは、愛犬にやさしい車として理想的です。
長時間のドライブなどは、愛犬が喜んでいても、体に負担になることがあります。車酔いの対策をはじめ、事前のトイレを済ませてあげるなど心遣いが大切です。時間に余裕を持って愛犬を安心させながら準備をしましょう。また、ドライブ途中は、気分転換の休憩やトイレタイムもたっぷりとってください。
- 愛犬が車に酔いやすい場合は、事前に薬を飲ませるなどしてケアしておきましょう。心配な場合は、お出かけの日、朝のフードの量をいつもよりも減らすなどの調節をして、愛犬の負担を減らすようにしてください。
- 長時間のドライブ前には、時間に追われて、慌てて愛犬を車に乗せるのはNGです。時間に余裕を持って、ゆっくりお散歩をして、トイレを済ませてあげてからお出かけするように。
- 途中や現地で愛犬の気分転換やトイレ休憩のために、いつものお散歩グッズは必ず携帯しましょう。(ティッシュ、ウンチ用の袋、水、水飲みボウルなど)
トレーニングしておきたいことのひとつですが、目的地に着いても、すぐに車外に出さないようにしましょう。愛犬が、「車が止まり、エンジンを切ったら降りられる」と覚えてしまうと、降りられないと吠えたり、暴れたりするようになることも。とくに車が多いところでは危険です。エンジンが止まっても静かにしていたら降ろしてもらえることを覚えさせると安心です。
ボルボの生まれ故郷スウェーデンは福祉の国として有名ですが、動物福祉においても世界一級。スウェーデンの動物福祉法では、「犬が犬らしく生きるため」という目的のもと、いろいろな法律が定められています。例えば、車で移動するときも、長時間犬を閉じ込めたままのドライブは禁止。法律では「三時間以上、犬をとじこめたままにしてはいけない」と定められています。道路事情の良いスウェーデンでは、ついつい長時間運転になりがちです。でも、犬が一緒なら飼い主は気を配り、早め早めに休憩をとります。車を停めて外に出し、水をのませたり、もちろんトイレも。そして、人もカラダを伸ばしたりコーヒーを飲んだりと、一緒にひとやすみ。結果、長距離移動中も先を急がず、こまめに休憩を取ることが習慣となります。 休憩とリフレッシュは、犬にとっても人にとっても健康と安全運転のためにもとても良い効果となります。
自然の多い場所でキャンプやバーベキューを楽しむときには愛犬の拾い食いや、火の扱いには十分気をつけて。そして、自然の中で愛犬を遊ばせるときは、思いっきり一緒に遊んであげるようにしましょう。この適度な距離感を保つことで、愛犬と飼い主、それぞれが快適に過ごすことができます。
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飼い主さんがバーベキューをしている近くに愛犬を近づけないよう、
離れたところにリードでつないでおきます。拾い食いを防いだり、火の危険を遠ざけます。 -
食事の時間に離れていても、遊ぶときは思いっきり一緒になって遊んであげましょう。自然の中で思いっきり飼い主さんと遊ぶことで、より深いコミュニケーションがとれます。
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テントなど、初めての場所でのお泊まりには、愛犬が安心できるように、いつも使っているブランケットやクレートなどを用意しておくとよりベターです。
「定期的に愛犬を自然の中で思いっきり走り回らせてあげていると、ストレスもなく、しつけもしやすく、健康にもいいようです。これからも車で遠出しながら、遊ばせる機会をたくさん作って行きたいですね」(波田野さん)