隙間に挟まる、物をよけることができない、ドアの蝶番側を通ろうとする
監修:麻布大学 齋藤 弥代子先生 麻布大学 久世 明香先生
認知機能不全症候群とは?
犬も人と同様に認知症(認知機能不全症候群)を発症することがあります。一般的に、加齢に伴い脳の機能は衰えますが、認知症の場合はその衰えが正常な加齢の範囲を超えて認知機能が低下します。他の病気が隠れていることもあるため、年齢によるものだと決めつけず早めに獣医師に相談することが重要です。セルフチェックを使って、愛犬のスコアを確認してみましょう。
評価基準 DISHAAとは
DISHAAとは、認知機能が低下したときに出やすい6つの病状カテゴリー(「見当識障害」「社会的交流」「睡眠/覚醒サイクル」「粗相、学習と記憶力」「活動性」「不安」)のことを指し、愛犬の現在の認知機能を評価するツールです。セルフチェックでは、すべて8歳以降に現れてきた、あるいは進行してきた微候について選んでください。(8歳までにその傾向があったものの、それ以降特に進行していない場合は、「該当しない」を選んでください。)
愛犬について、以下のような行動をとったり、変化がみられたり、様子が見られたりすることはありますか?
設問ごとに該当するものを1つ選んでください。
- 該当しない
- まれにある
- ときどきある
- 最低でも
1日1回ある
壁、床、空中などの何もないところをぼんやり見つめる
- 該当しない
- まれにある
- ときどきある
- 最低でも
1日1回ある
馴染みのある人や動物を認識できない
- 該当しない
- まれにある
- ときどきある
- 最低でも
1日1回ある
家の中や庭で迷子になる
- 該当しない
- まれにある
- ときどきある
- 最低でも
1日1回ある
視覚刺激(光景)や聴覚刺激(音)に対する反応が鈍い
- 該当しない
- まれにある
- ときどきある
- 最低でも
1日1回ある
以前よりも来訪者や家族、他の動物に対して、イライラしたり、怖がったり、攻撃するようになった
- 該当しない
- まれにある
- ときどきある
- 最低でも
1日1回ある
近づかれたり、挨拶したり、可愛がられたり、撫でられることに対する興味が減った
- 該当しない
- まれにある
- ときどきある
- 最低でも
1日1回ある
夜間にウロウロと歩く(常同歩行) /落ち着きがない/あまり眠らない/目を覚ましている
- 該当しない
- まれにある
- ときどきある
- 最低でも
1日1回ある
夜間に、鳴いたり吠えたりする
- 該当しない
- まれにある
- ときどきある
- 最低でも
1日1回ある
新しいことを覚えにくい、あるいは、既に習得しているコマンドや名前、作業への反応が鈍い
- 該当しない
- まれにある
- ときどきある
- 最低でも
1日1回ある
家の中のトイレ以外の場所に排尿や排便をする、あるいは外出したいという意思表示が減った
- 該当しない
- まれにある
- ときどきある
- 最低でも
1日1回ある
犬の気を引くことが難しくなった、注意散漫である、集中力が減った
- 該当しない
- まれにある
- ときどきある
- 最低でも
1日1回ある
探索をしたり、おもちゃや家族、その他の動物と遊ぶ頻度が減った
- 該当しない
- まれにある
- ときどきある
- 最低でも
1日1回ある
無目的な歩行(常同歩行)や徘徊などの活動が増えた
- 該当しない
- まれにある
- ときどきある
- 最低でも
1日1回ある
旋回運動、咀嚼、舐め、ぼんやりと宙を見るといった反復行動を示す
- 該当しない
- まれにある
- ときどきある
- 最低でも
1日1回ある
飼い主から離れた際の不安が増えた
- 該当しない
- まれにある
- ときどきある
- 最低でも
1日1回ある
視覚刺激(光景)や聴覚刺激(音)に対して過敏になったり、怖がるようになった
- 該当しない
- まれにある
- ときどきある
- 最低でも
1日1回ある
場所や環境(例:新たな環境、外出など)を怖がる事が増えた
- 該当しない
- まれにある
- ときどきある
- 最低でも
1日1回ある
※認知機能不全症候群以外の疾患や行動学的問題によっても、スコアが高くなる可能性があります。セルフチェックだけではなく、必ず獣医師の診断を受けるようにしてください。