犬や猫の皮膚に寄生すると、吸血と1日あたり20~50個の産卵を繰り返して、あっという間に増えてしまいます。ノミアレルギー性皮膚炎に一度かかると、その後少しのノミにも過剰反応を起こし、激しいかゆみに悩まされ続けることも。
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獣医師が解説!
ノミ・マダニ・
フィラリア
ノミ・マダニ・
フィラリア
<監修>上野弘道先生 日本動物医療センター院長
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ノミ
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マダニ
クモに近い種類の節足動物で、幼ダニは6本、成ダニは4対(8本)の脚を持ちます。寄生して吸血すると何倍にも大きくなります。マダニに寄生されると、貧血だけでなく、「犬バベシア症」などの深刻な感染症を引き起こすことも。
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フィラリア
糸状の寄生虫で、蚊を介して犬や猫の体内に入ります。感染すると治療は困難。心臓や肺動脈に寄生すると命に関わる場合も。犬だけでなく、猫もかかる病気です。
何がこわいの?
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ペットへの被害~ノミ・マダニ~
ノミは梅雨から夏にかけて、マダニは春と秋がピークです。草むらや電信柱などは、特に要注意。これらの場所には、ノミの卵やさなぎ、マダニなどが潜んでいることが多く、散歩中の愛犬に寄生するのを狙っています。人の靴や服について、気づかないうちに室内に持ち込んでいることもあるので、室内飼いの猫でも油断は禁物。寄生されると、強いかゆみにおそわれます。皮膚炎、貧血などの症状が現れることもあります。
ノミ感染を起こした猫の皮膚の様子
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ペットへの被害~フィラリア症~
フィラリア症は、蚊が媒介となって発症する病気です。寄生されても気づくことができませんが、放置すると、フィラリアは犬や猫の体内(皮膚・筋肉・脂肪)で脱皮を繰り返し、心臓や肺動脈などの血管に寄生して成虫になり、フィラリア症を発症します。最終的には、ショック症状が出たり、血液が流れづらくなり、心不全を起こすこともあります。
猫もフィラリアに感染します
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人への被害
マダニが媒介するとされる人への被害に「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」がありますが、死亡例が報告されています。
対策は?
寄生虫対策は「愛犬・愛猫のために」という飼い主さんの思いがあって行うものです。犬や猫にストレスがかかるようなやり方はできるだけ避けたいところ。予防・駆除剤のなかには、フィラリア・ノミ・マダニ・お腹の虫対策が一度にできるオールインワンタイプのものがあります。日本全国、1年中、注意が必要ですが、経口薬でおいしく食べられるものや垂らすだけのスポットタイプのものなら、愛犬や愛猫への負担がかかりません。