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なんだか呼吸が荒い…?愛犬の正常な呼吸数を知っていますか?【動物看護師が解説】

なんだか呼吸が荒い…?愛犬の正常な呼吸数を知っていますか?【動物看護師が解説】

普段何気なくしている呼吸。自分の呼吸のリズムを気にすることもなければ、誰か話している相手の呼吸、愛犬の呼吸まで気にしている人は少ないでしょう。しかし、呼吸は身体状態や精神状態を表す重要なサインでもあることをご存知でしたか?緊張しているときなどは呼吸が浅くなり、気が遠くなるような感覚がするのは、呼吸が精神状態に左右されているからなのです。愛犬の正常な呼吸数を知って、今体がどんな状態なのか、心がどんな状態なのかを汲みとれるようになってみませんか?

速い、遅いにも、様々なパターンが

呼吸が遅いときは心が落ち着いているだとか、速いときは緊張しているだとかは間違ってはいるわけではありませんが、呼吸の速さに変化が出る理由は実に様々です。夏場、散歩中にハアハア速い呼吸をするのは緊張しているからではないですよね。体内の熱を外に出すためにあのような呼吸をするのです。だからといって、初めての来客を見てハアハアしだしたからといって、暑いわけではありません。このように、その環境やシーンなどによるさまざまな理由があることをまず理解しましょう。

つまり、呼吸が速いから危険、正常だから大丈夫とは一概には言えないということです。その場の状況や、愛犬の体調によっても左右されるので、正常な呼吸回数だから大丈夫とは思い込まず、何か様子に違和感を感じたのであれば動物病院へ受診するようにしてください。

正常な呼吸回数は1分に10~30回

呼吸は、眠っている時は遅くなり、活動性が上がるほど平均値よりも上回ることもあります。正確な呼吸数を測るには、1分間の呼吸数を数えるのが1番ですが、そんなに長く犬がじっとしていられるわけではないので大体30秒間数えてその呼吸数を2倍します。15秒間の数を4倍でも良いのですが、呼吸は心臓のリズムとは違い一定ではないので、呼吸の間隔がやけに空いている時だけ測っていると、1分間に10回も満たないくらいしか呼吸をしていないと勘違いする原因になります。

1分間の呼吸数が30回以上になってしまっても、愛犬の様子が何らいつもと変わらないのであれば特に心配する必要はありません。異常に速い呼吸は100回/分を超えることもあるので、40回、50回程度であるからといって異常というわけではないでしょう。ただし、呼吸数だけではなく、愛犬の様子を十分観察して判断してください。

じっとしているなら目視で

呼吸数の測り方は、愛犬がじっとしているときは目視で腹部のふくらみを数えましょう。その際、時計を見ることができないのでタイマーをかけるか、しばらく秒針を見て1秒の感覚をつかんでから、頭の中で30秒数えると良いでしょう。

じっとしていないときは、四つ足で起立し、胸部を優しく両手で包むようにして触れると、呼吸のたびに肋骨が広がるのを感じるのでその回数を数えると良いです。この時に頼りになるのは手の感覚なので、目は時計を見てしまって構いません。しかし、テーブルや椅子の上など高いところに立たせて測っているのであれば、落下する危険があるので少しでも危ない動きをしたように感じたら、時計から目を離し愛犬の状態をよく見てあげましょう。2人で測れるのであれば、1人は呼吸、1人は時間で、肩を叩くなどして時間を知らせてあげると良いでしょう。

回数がすべての答えではない

何度も言いますが、呼吸数が正常範囲内であっても、絶対に健康とは言い切れません。呼吸にいち早く症状が出るのは、気管や肺などの病気ですが、その他の臓器の病気の場合は呼吸数に特段問題が見られないことがほとんどです。体に痛みなどがある場合は、震えや浅くて速い呼吸が見られることがありますが、全てのパターンで通じるわけではありません。あくまでも、呼吸器系については問題がない、と理解するようにしましょう。

呼吸に変化が現れるときは、体か心どちらかに何らかの刺激があったときですから、今は緊張してるのかな?今はリラックスしてるのかな?と、変化があれば気にしてあげると良いかもしれません。ちなみに愛犬が緊張して速い呼吸をしていたら、飼い主さんは思いっきりリラックスした顔でゆっくり呼吸をしてみてください。あなたの愛犬はそれを見ているだけで、少しずつ緊張がほぐれていくかもしれません。ぜひ、やってみて下さいね。


文/動物看護士 木本 由季
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