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犬飼いの視点【穴澤賢の犬のはなし】

Vol.56 犬飼いの視点

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破壊王大吉

犬によって違うのかもしれないが、大吉は与えたオモチャを破壊することに喜びを感じているらしい。富士丸(大型犬)に比べたら破壊力なんてたかがしれているだろうと思っていたが、大吉も中型犬のわりにはなかなかやりよる。先日も取材で購入をした「虎が噛んでも壊れない」というオモチャを与えてみたところ、いつもより相当手こずりつつも、1時間ほどで中の綿を出していた。
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個人的にはそういうときに「虎が噛んでも壊れないんじゃないのか!」と腹立たしく思ったりはしない。どちらかというと「虎が噛んでも壊れないものを壊すなんて、お前すごいじゃないか!」という気持ちになる。ま、ネコ科の虎がこういうオモチャを根気よく壊そうと努力するとも思えないのだが、それはこの際置いといて。で、後日たまたま立ち寄ったお店で、さらに頑丈そうなオモチャを買ってしまったりする。
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犬というのは面白いもので、人が見ていると、より頑張ってオモチャを壊そうとする性質を持っている。大吉もこうして写真を撮ったりしていると、フンガフンガいいながら必死にオモチャと格闘する。おそらく「破壊しているカッコイイ俺を見て!」というアピールではないかと思う。その証拠に「あとちょっとじゃない?」とか「お、すごいじゃん!」などと声をかけると、より燃える。
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しかしあまりに頑丈すぎて、本気で壊せなさそうだと見ているほうもつまらない。かといって、ふつうのオモチャだとそれこそ5分と持たずにズタズタにされるので面白くない。ある程度苦戦しつつ、最後には突破口を開いて破壊できる、くらいのオモチャが望ましい。
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そういう意味では冒頭の虎のオモチャはなかなかいい感じだった。逆にあとで買ったほうは頑丈すぎて、あげてから数日経ってもほとんど破壊できていない。歯が立たなさすぎて、本人もやややる気をなくしている傾向が見られる。強度的にはこの中間くらいが理想だろう。
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オモチャ選びは、このあたりの見極めがなかなか難しいのだ。けれどもときどきふと思う。ある程度頑丈なモノとなると、それなりの値段になる。このオモチャだってたしか2千円くらいしたと思う。だからそんなにホイホイと買うわけにはいかないのだが、それは買ってしまったあとに気付くことが多い。
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そもそもそんなに高価なモノを買い与えておいて、それが破壊されることを望んでいるとは、いったいどういう感覚なのか。一般的にはとても理解できないが、犬と暮らしていると、知らず知らずのうちにこうなってしまうのだろうか。ただ単に親バカなだけ、じゃないよね。
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