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穴澤賢の犬のはなし 穴澤賢の犬のはなし

Vol.30 4周忌を迎えて〜その1

今年も10月1日がきた。富士丸が逝ってしまった日から、4年が経ったことになる。今のこの心境を、どう表現すればいいだろう。素直に言えば「不思議な感じ」だろうか。それはもう4年も経つのかという実感のなさと、今もこうして自分が生きていること、そのそばに大吉という犬がいることに対してそう感じてしまうのだ。

ふだんはあまり意識していないが、命日が来るたびに思うことがある。これを書いているのは10月10日だが、1周忌、2周忌と年を重ねるごとにその心境も微妙に変化してきているように感じる。なんとなく覚えているのは、1周忌のときは、とにかく命日が来るのが恐くて仕方なかったことだ。

あれからもう1年が経つということを認めたくないと同時に、自分がまたどうしようもなく落ち込んだ状態に逆戻りするのではないかという不安が大きかった。が、実際には多少不安定になったものの、恐れていたほどではなかったような気がする。

2周忌は、それがちょっと和らいで、でも9月の終わりが近づいてくると妙に心が落ち着かなかったような記憶がある。3周忌あたりから、命日を恐れるという感覚はなくなったはずだ。さきほどから、なんとなくとか、気がするとか、あやふやな表現が多いのは、実際にこの時期の記憶が自分でも驚くほど曖昧だからだ。

ふだんから記憶力はよくないほうだが、それにしても2009年の秋から2年間くらいは自分が何を考え日々暮らしていたのか、ぼんやりとしか思い出せなかったりする。けれども、うつ病とかそういう状態ではなかった。生活に支障をきたすようなこともなかった。ただ覚えているのは、以前のようにあれが食べたいこれが食べたいと思うことがほとんどなかった。

思うに、そのころは興味をそそられるものもなく、やりたいこともなく、「ただなんとなく生きていただけ」だったのかもしれない。それが今では、似たようなエフェクター(ギターの音を変える機材)を買いあさり、赤垣(※)のうな重が食べたい、などと思う自分がいる(※東京・初台にある美味いうなぎ屋)。

4年前の10月最初の1週間は、ひたすら酒を飲んで酩酊しながらずっと降り続いていた雨の音を聞いていた。あのとき、4年後の自分の姿など想像もできなかったし、する気力もなかった。あそこですべてが終わったはずだった。そのことを思うと、自分のことなのにまるで他人事のように感じてしまうのだ。

4年という月日の中で自分が少しずつ変わったのか。少しはそういう部分もあるかもしれない。でも一番の大きな原因は、たぶん大吉の存在なのだろう。情けない話だが、やはり犬と暮らすと生活に張りができるし、心が安らぐし、元気になる。悔しいが、大吉のおかげだ。

とはいえ、すべてが元通りというわけではない。今でもあれが夢だったらよかったのにという思いはどこかに残っているし、トラウマもある。そのあたりの話は、長くなりそうなのでまた次回。

作者プロフィール

穴澤賢(あなざわまさる)

1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に「ひとりと一匹」(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック「Another Side Of Music」(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った「またね、富士丸。」(世界文化社)などがある。2012年には、実話をもとにした猫の絵本「明日もいっしょにおきようね」(草思社)を手がける。酒好き。
Another Days    富士丸な日々

大吉くん

オス・2才
新しい飼い主さがしのサイトを通じて穴澤さんのもとへ。

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