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また犬と暮らしはじめた また犬と暮らして〜その1【穴澤賢の犬のはなし】

また犬と暮らしはじめた Vol.3 また犬と暮らして〜その1

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たぶん富士丸のことを知っている人は、また大吉という犬を迎えたことによる心境の変化とか、そのあたりの話に興味があるのではないかと思う。富士丸を知らない人も、犬や猫を飼っている人であれば「ペットロス」に対する不安もあるのではないだろうか。
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富士丸は突然だった。それも、5時間ほど家を空けて帰ってきたら息を引き取っていたという、飼い主としてはまさに悪夢としかいえないかたちでいなくなった。ペットロスは当人にとって深刻な問題なので軽々しく書くつもりはないが、経験者として現在の心境を語る資格くらいはあるのではないかと思う。
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2009年10月1日、7歳半で富士丸はこの世を去った。そこから一週間は地獄で、1カ月経ち、半年が経ち、と時間が経つにつれ心境は刻々と変化していった。そのあたりの話は本に書いたが、程度の差はあれどその頃は間違いなくペットロスだったと思う。
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問題はその後の話で、時間の経過と共に以前の自分に復活していく実感はあったが、あるところからあまり変化がなくなった。「以前の自分像」というのも曖昧なのだが、どうも完璧に戻っていないように思えた。2年経ってもそんな状態だった。
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でもそれはそれでしょうがないのかな、と考えていた。そもそも以前の心境になど戻れるわけがない。かといって、メソメソしているわけでもなかった。普通に暮らしていたし、それなりに楽しくやっていた。ただふとした瞬間に、「何かが足りないなぁ」と思うだけだった。それは別の何かで埋まるようなものではないことはわかっていたし、一生このままでもいいと思っていた。それもペットロスの症状だというのなら、そうなんだろう。
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そして、大吉がやってきた。まず変わったのは「そうそう、犬ってこうだったよな」と、かつての感覚が蘇ってきたことだろうか。それがなんとも嬉しかった。ごはんとか予防注射とか、スケジュールを組むときに散歩の時間をいちいち考慮しなくてはいけなかったりと、面倒臭いことも多いのだが、苦にはならない。
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それから1年ちょっと経ち、気がつけば「何かが足りない」と思うことがなくなっていた。でもそれは、たとえば心に富士丸分のへこみのようなものがあったとして、そこに大吉がすっぽり収まったというわけではない。これを説明するのはちょっと難しい。長くなりそうなので、続きはまた次回。
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おまけ動画 仔犬 大吉その3

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