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犬は表情を「意図的」に使い分ける?【穴澤賢の犬のはなし】

犬は表情を「意図的」に使い分ける?

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少し前にイギリスの科学雑誌に掲載された論文によると、犬は自分の表情を使い分けることで飼い主を「操作」している可能性があるという。いったいどういうことか?
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犬は自分の表情をコントロールして、飼い主との意思疎通の手段として使っている可能性があるという論文がイギリスの科学雑誌『サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)』に掲載された。飼い主が犬に顔を向けているときと、背を向けているときの犬の表情を分析したところ、顔を向けているときのほうが明らかに犬の表情が活発に動いたという(食べ物を持っているかどうかは関係なかった)。
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そのことから、犬は飼い主の注意が自分に向いているときに、より顔の筋肉を動かして、意思疎通を図ろうとしているのではないかというのだ。これまで、霊長類では自分の表情を他者に見られているという認識があることは認められていたが、霊長類以外にはそのようなことを示す証拠が認められていなかった、らしい。
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と、このニュースを読んでまず思ったのは「知ってた」という感想だった。きっと犬と暮らす多くの人がそう感じたことだろう。犬に限らず、猫の飼い主もそう思ったかもしれない。とにかく、犬は「もう何日も食べてません」というような「演技(大根)」もするし、人間を観察して「暇なんだったら遊んでよ!」というような「要求」もしてくる。
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表情だけではない。たとえば、犬のオヤツをうっかりポケットに入れたまま忘れていることがある(犬飼いにはそういう雑なところがある)。そんなとき、大吉はちょこんと隣に座り、前足でポケットを「ちょんちょん」と触ってきたりする。「ん?何?」とポケットを探るとオヤツが入っていて「あぁ、これね」と思い出すことがある(福助はまだここまでできない)。
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これなどは、もう明確に自分の意思を伝えていることになる。また、一般的に犬は時間の概念がなく「今」を生きているというが、そんなこともない。この連載でも書いてきたが、犬はちゃんと過去にあったことを記憶しているし、(飼い主の行動によって)近い未来を予測することもできる(旅行の支度をするとテンションがあがるなど)。さらに、言語もある程度は認識していて、飼い主(及びお客)が自分のことを話しているのか、関係ないことを話しているのかもわかっているフシがある。
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今回の研究結果では、人間が考えている内容や感じていることを犬が認識していると断定できる段階には至っていない、とのことだが、研究が進む前に断言しておきたい。「犬は人間が考えている以上に人間のことを理解していて、自分に都合のいいこと以外は知らないフリをしている」と。
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