八ヶ岳に土地を〜その4【穴澤賢の犬のはなし】

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八ヶ岳に土地を〜その4

移住アドバイザーの友枝さんのおかげで見つかった、とてもいい物件。さて、どうするか。いよいよ決断のとき。

小淵沢インターから車で20分ほどの「丸山の森別荘地」内にある300坪ほどの土地。目の前は村営林で、今後新たに建物が建つ可能性はほぼゼロ。道路も舗装されていて、アクセスもいい。さらに、敷地内には古いが建物付き。それで価格はなんと200万円。正式に売りに出ているわけではないものの、これだけ好条件がそろった物件と出会ってしまった。

本心では即「買った！」と言いたかったのだが、そこまで踏ん切りがつかない。その理由は建物だった。築40年ほどで、確実に数年は使われた形跡がなく、外の階段は朽ち果てている。友枝さんによれば、少し修繕すれば数年は使えるのではないかとのこと。果たしてそうなのか？　実際に中を見てみないことには決断できない。

そこで無理を言って、持ち主の許可を得たうえで、管理事務所立ち会いのもと、中を見せてもらうことになった。そして、いよいよその日がやってくる。階段は朽ち果てて危険なので、窓から入らせてもらった。まず驚いたのは数年締め切ったままだというのに、ほとんどカビ臭くないことだった。標高も高く、乾燥している地域だからなのだろう。まずはホッと胸をなでおろす。

その他の内装は、さすがに築40年というだけあって「ザ・昭和」な印象だったが、掃除すれば使えそうだった。移住するわけではなく、休日に利用するだけなので、当分は寝泊まりができればそれでいい。テラスからの眺めは最高だし、斜面の草を刈れば、ドッグランだってできそうだ。

好みは人ぞれぞれだが、私たちにとって、これほどの条件が揃った物件にはもう出会えないような気がした。そもそも、まずは土地だけを手に入れて、車中泊でもなんでもすればいいという考えで土地探しをはじめたのだから、寝泊まりができる建物が付いているだけでありがたい。価格は200万円。安くない買い物ではあるし、車を買い換えると思えば、高くないのかもしれない。ただ、今の私に出せるギリギリの金額だった。