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手のかかるやつら【穴澤賢の犬のはなし】

手のかかるやつら

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ある休日の午後、ふと見ると座った大吉が右前足をあげていた。床に足がつくのを嫌がっているらしい。どうした?さっきまでは普通だったのに……。
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実は思い当たることはあった。少し前に大吉が右前足をしきりに舐めており、よく見ると肉球の間の毛が茶色く変色し、肌が赤くなっていたのだ。これは湿度の高い季節によくあることで、湿った足がかゆくなる→かゆいから舐める→舐めるからまた湿る→さらにかゆくなる、ということを繰り返して炎症を起こしてしまう。
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この負の連鎖を断ち切るには、強制的に「舐められない状態」にするしかない。だから、大吉の右前足の肉球には、ここ一週間ほど包帯を巻いていた。近ごろは、巻いただけでくっつく包帯があるので、こういうときに便利だ。とはいえ、目を離している隙に包帯を取ってしまったり、包帯の上から舐めしまったりするので、一日に何度も巻き直していた。
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そのうち治るだろうと思っていたが(軽いとそれで治る)、足をあげるとは、もしや悪化しているのか。包帯を取ってよく見てみるが、ひどくはなっていないが、悪くもなっていないように思える。足を動かしても痛そうにしないので、関節ではないだろう。だとしたら、やっぱり肉球か。右前足が地面につかないように、えっちらおっちら歩く姿が痛々しい。幸い土曜日で、近所の動物病院がやっていたので、すぐに向かうことにした。
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状況を説明して、患部を診た獣医師は開口一番「あぁ、これは痛いわ、真っ赤だもん」と言った。人間もかゆいところを無意識にかきむしっているうちに、皮膚が傷ついてヒリヒリすることがある。肉球の間がまさにそんな状態になっているらしい。ここまで悪化したのは珍しい。そこでまずかゆみを抑える薬をもらい、その薬を塗ったうえで、包帯で舐めないようにしてみるようアドバイスを受けた。
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こうなる原因には、肉球を濡らしたままにしていた、小さな傷ができてそこから細菌に感染した、ストレスなどいろいろあるが、数年前にも大吉は同じ症状になったことがある。散歩の後は湿ったタオルで足を拭くだけで、そんなに濡らした覚えはないが、常に清潔で乾燥した状態にするよう心がけていたかといえば、そうでもない。
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しかし、度々同じ症状になっているのなら注意もするが、ふだんは全然平気なんだから散歩の度に消毒したりドライヤーで足を乾かしたりはしていない。現に福助はなんともないんだし。おそらく小さな傷とか、免疫力が少し落ちているか何かだろう。まったく、手がかかるやつだ。
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でも、数年前にも同じ症状になったことがあり、そのときにもかゆみ止めの薬を塗ったはずだったのに、そのことをすっかり忘れて「とにかくこの程度なら舐めさせなければそのうち治る」と勝手に思い込んでしまったことは申し訳ない。かゆいのをまず抑えてあげるべきだった。まだまだダメ飼い主だなぁ。ごめんな、大吉。
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