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犬・猫と暮らすこと 犬と食事を考える〜その3【穴澤賢の犬のはなし】
Vol.16 犬と食事を考える〜その3
大吉はまもなく2才になるが、あまり手のかからない犬ではある。
そんな大吉の最大の悩みといえるのが、食について。とにかく食が細いのだ。食べ物に対する執着心があまりないらしい。犬というのは、何をあげてもガツガツ食べるものではないのか?
その悩みを解決すべく、動物病院向け栄養相談を行うペットベッツ栄養相談を主催し、ペット栄養コンサルタントである奈良なぎささんを大吉の暮らす我が家にお招きしてお話を伺ってみました。前回は犬に必要な栄養素の話。今回はその続きです。
人とは違う、犬の栄養
穴澤:大吉の食事には、サツマイモやじゃがいもを刻んで入れていました。
穴澤:米って、白米ですか?
奈良:そうですね。
穴澤:我が家では胚芽精米を食べているのですが、大吉の食事にもそれを少し入れたことはあります。
※Web編集室注:胚芽精米は玄米からヌカを取りのぞき、胚芽を80%以上残したお米のことです
奈良:胚芽精米でも精白米の2.7倍の食物繊維が含まれています。また栄養面でも胚芽精米や玄米のほうが優れていることはご存じですよね。
穴澤:はい。
穴澤:へぇ、そうなんだ。白米って炊いた米ですよね。
奈良:そうです。米やイモなどに含まれるデンプンは加熱調理をすることで消化がよくなるので必ず加熱することが重要です。炊いた白米のべたべたした感じを嫌う場合は、水でさっと洗ってからほかの食材と混ぜてあげて下さい。
穴澤:量はどれくらいですか?
奈良:犬の体重や体型、活動量などによっても違いますが、たまに作る程度の手作り食であれば1日に必要なエネルギー量の25%程度を肉や魚で、それをゆでて刻んだ量と同じくらいのごはんと野菜という分量が目安です。
奈良:確かに大豆やトウモロコシには腸内の善玉菌を増やすオリゴ糖が含まれていますね。ただ外殻が固く食物繊維が多いため、与えるときにすりつぶしたり、ペースト状にしないと実際は便として排泄されてしまう量が多いかもしれません。また、身体によい栄養素を含む食べ物でも、調理方法、与える分量や与え方が、その個体に適していなければ、逆に腸内環境を乱す原因にもなるんですよ。
奈良:腸内に善玉菌や悪玉菌といった腸内細菌叢(さいきんそう)があるのは人も犬も同じです。ただし、食性が違うのでその細菌総数や構成、分布などに違いはあるかもしれません。また、食性により腸の長さも異なるため、犬では犬の腸が効率よく栄養吸収でき、かつ腸内細菌叢のバランスを保つことのできる栄養バランスと食材で構成された食事が重要なんです。
穴澤:なるほど。手作り食って難しいんですね。市販のフードでも高いフードと手作りご飯だとコストはあんまり変わらない感覚なんですよね。
穴澤:具体的にはどうしたらいいのでしょうか。大吉にはもうちょっと太ってほしいんです。
奈良:まずは主食になるものをペットフードにしたいのか、それとも手作り食にしたいのか、あるいはペットフードに何かを混ぜた食事にしたいのかから選びます。
穴澤:そこにこだわりはないんです。大吉が健康でさえいてくれれば。
犬にとってベターな食事とは? 見きわめ方について奈良先生にお聞きします
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