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誕生日を祝う気持ち【穴澤賢の犬のはなし】

誕生日を祝う気持ち

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犬や猫の誕生日にお祝いをする人は多い。わが家も犬にわかるわけがないと思いつつ、毎年のように犬用のケーキを買い、プレゼントをあげたりする。でも、心から祝っているわけではないんだよね。
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8月17日に大吉が4才を迎えた。誕生日がわからないから推定にしている福助とは違い(施設に保護されていたから)、一般家庭で生まれた大吉は生まれた日がはっきりしている。4年前のその日に、大吉がこの世に誕生したことになる。その年の11月4日に我が家に来たころは、ころころモコモコしていた白い子犬が、いつの間にか物わかりがよすぎるくらい利口になって、すっかり大人の顔つきになった。
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よくぞ生まれてきてくれた、よくぞ我が家へ来てくれたと心の底から思うから、大吉にはわかるわけがないと思いつつも毎年誕生日には犬用のケーキを買ってきて、プレゼントもあげたりする。今暮らしているところには、犬用のケーキなんて売っている店がないので、車ではるばる買いに走ったりと、けっこう大変なのだが。
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1才、2才くらいまでは単純に「おめでとう!」と思えるのだが、4才になってくると、素直に喜べなくなってきた。もう4才か、と思うのだ。いくら嘆いても仕方のないことだが、犬の寿命は短い。どんなに頑張っても20才くらい。おそらくそんなには長くはないだろう。もっとゆっくりでいいのに、そんなに早く年をとるなよ、といいたくなってくる。
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富士丸のときも、まったく同じだった。気が付いたら3才になっていて、あっという間に5才を迎え、そんなに急ぐなと思っていた7才のころ、ある日突然別れがやってきた。確実に少なくなっているとはいえ、まだまだいっしょに過ごせる時間は残っていると思っていたのに。
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その経験があるからか、たぶん人よりも愛犬が年をとっていくことに対して、素直に喜べない気持ちは大きいと思う。ま、人と比べる話でもないか。とにかく、まだ4才ではなく、もう4才か、と思ってしまう。時期は違えど、きっと多くの飼い主が同じような心境になるのではないだろうか。けれども、そんなことを嘆いても仕方ない。
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当たり前だが、きっと来年の夏には大吉は5才になり、その翌年には6才になる。そうやって無事に寿命をまっとうしてくれれば文句はない。いっしょに過ごした時間が長くなればなるほど、居なくなった後のさびしさは増すかもしれないが、それはそれでしょうがない、と納得するしかない。
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少なくとも、大吉を迎えるんじゃなかったという気持ちにはならないだろう。富士丸に対しても「7才ごときで突然いなくなるんじゃねーよ馬鹿野郎」と思ったことはあるが、お前なんて迎えるんじゃなかったという気持ちには、ただの一度もならなかった。いずれにしても大吉は4才を迎えた。いろいろ思うところはあるが、本人はそんなことまったく意識していないのだろう。だったらそれでいいか。誕生日おめでとうな、大吉。
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