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停留睾丸と言われました。手術をしようかどうか悩んでいます。手術のメリットとデメリットがあれば教えてください。

停留睾丸と言われました。手術をしようかどうか悩んでいます。手術のメリットとデメリットがあれば教えてください。

睾丸は、脚の付け根の鼠径管(そけいかん)という道を通り、だいたい生後1カ月くらいから、陰嚢に向かって下降していきます。何らかの問題から睾丸の下降が途中で止まってしまうと、睾丸は下腹部の皮膚の下や腹腔内に留まってしまいます。この状態が停留睾丸と呼ばれるものです。停留睾丸は両側に起きることも、片側にだけ起こることもあります。

停留睾丸の手術は去勢手術のメリット・デメリットとほぼ同じと考えてください。

去勢手術のメリットは、性ホルモンに関係する問題行動を抑えられることです。スプレー(マーキングのためのオシッコ)や外出、外出先でのケンカなどを抑えることができます。また、外出やケンカを少なくすることで、猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)など、ケンカでうつる感染症にかかることが少なくなります。

手術のデメリットとしては肥満があげられます。手術をすると、性ホルモンの分泌が減って発情にかかわる活動が少なくなるので、消費エネルギーが減って太りやすくなるといわれています。

停留睾丸と正常な睾丸の違いは、睾丸腫瘍の発生率です。停留睾丸の腫瘍発生率は正常な睾丸の6倍から10倍高くなることが分かっています。停留睾丸の手術をすればこのように発生率の高い腫瘍にならないことがメリットです。

デメリットを考える上での停留睾丸と正常な睾丸の違いは手術方法です。

停留睾丸が腹腔内にある場合は、開腹手術をして切除しなくてはなりません(腹腔鋏を使用して開腹しない手術方法もあります)。一般的な去勢手術より時間がかかり、手術や麻酔の負担が大きくなる可能性があります。腹腔内の停留睾丸が小さい場合、大変見つけづらいことがあります。このように手術をすることの危険性がデメリットとして考えられます。
ミックス|♂|1歳0カ月
監修/ねこのきもち相談室 担当獣医師
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