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猫が嘔吐する原因とその症状、診断方法について

猫は嘔吐しやすい動物ですが、嘔吐には様々な原因があります。ここでは、緊急性が低く様子見て良い嘔吐と、病気の可能性が高い嘔吐の判断の仕方や、予防法や対処法についてまとめました。
目次

・猫が嘔吐する原因とは?
・緊急性の低い嘔吐
・病気の可能性がある嘔吐と、その判断方法
・猫の嘔吐の対処法・予防策
この記事は、ねこのきもち相談室の獣医師が執筆しています。

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猫が嘔吐する原因とは?

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猫は嘔吐しやすい動物ですが、嘔吐する原因としては様々なものがあります。まずは、嘔吐の原因から見て行きましょう。

◯早食い

フードが出てきた時に、とても勢い良く食べるタイプの猫に良くみられます。そのような猫に一度にたくさんのフードを与えてしまうと、噛まずに丸呑みをしてしまい結局食べたものを丸ごと戻してしまうことになります。これは吐き戻しといい、嘔吐とは違います。

◯フードが合わない

フードが良い悪いとは関係なく、あるタイプのフードだけは嘔吐してしまうという場合があります。このような場合には違う種類のフードを与えてみて嘔吐するのかどうかを確認してみてください。猫はあまり噛まずに丸呑みすることが多いので、フードの粒の大きさや形状によっても吐きやすくなることがあります。その場合には粒が小さいタイプへ変更してみるのもひとつかもしれません。

◯毛玉を吐くため

猫は自分でグルーミングをするため胃の中に溜まった毛玉を定期的に吐き出すタイプの猫がいます。季節の変わり目に吐く回数が増えるようであれば、ブラッシングの回数を多くしたり、毛玉をコントロールできるようなフードに変更したりしてみるのもひとつです。

◯その他

外に自由に外出できる猫の場合には好奇心から虫や草などを食べてしまい嘔吐してしまったり、引越しや環境の変化などのストレスから嘔吐してしまったりすることもあります。

緊急性の低い嘔吐

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猫は嘔吐しやすい動物なので、嘔吐したからといってすぐに病気だと慌てる必要はありません。嘔吐しても心配する必要のないかどうかの判断は、以下のポイントで確認してみてください。

・吐く回数は週に1回以下か
・元気はあり、いつもと違う様子はないか
・食欲が落ちていないかどうか
・下痢をしていないかどうか

これらのポイントをまず確認してみてください。また、吐く以外の症状が見られず、吐いた後にいつも通りの元気があれば、一旦様子を見ておいて大丈夫でしょう。

様子見でいい嘔吐で良く見られるのは、食べた物をすぐに出してしまう吐き出しというもので嘔吐とは異なり未消化のフードを吐き出します。これは勢い良く一度にたくさん食べすぎたり消化できないものを吐き出したりすることがあります。また毛づくろいで、胃の中に溜まった毛玉を吐き出すこともあります。少し調子が悪いときに猫草を自分で食べて嘔吐することで調子を整える猫もいます。

これらの症状は身体の生理的な反応からくる状態ですので心配はいりません。吐いた後に食欲がしっかり戻っているかどうかは体調の確認のための重要なポイントとなります。

病気の可能性がある嘔吐と、その判断方法

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基本的に猫は良く嘔吐をする動物ではありますが、嘔吐の中には注意が必要なタイプのものがあります。そのような嘔吐の場合には病気の可能性が考えられますので、なるべく早く動物病院に行かれることをおすすめ致します。

◯嘔吐のタイプ

・異物などを飲み込んでしまった可能性が考えられ、その後から突然嘔吐し始めたような場合
・嘔吐とふらつきなどの神経症状がでている場合(中毒症状の可能性)
・事故など、外傷の可能性が考えられ、突然嘔吐し始めたような場合
・嘔吐だけでなく、下痢の症状も認められるような場合
・吐いたものに血が混ざっているような場合
・尿閉になっている可能性がある場合(特に雄猫で過去にも尿閉になった可能性がある場合には早く対応する必要があります)
・便秘がずっと続いている場合(腎不全などを起こしている場合に便秘を起こしやすくなりますが、便秘が続く特に嘔吐を起こすことがあります)

◯頻度や嘔吐物色で見る心配な嘔吐

・赤色
 口や食道あたりの出口に近いところでの出血の可能性があります。
・赤褐色~黒色
 胃や腸などで出血している可能性があります。
・泡や黄色(胃液)
 度々胃液を嘔吐するような場合には異物誤飲などの可能性があります。
・透明(飲んだ水)
 水を飲んだ後にすぐに吐くような場合には、閉塞を起こしている可能性があり緊急の対処が必要です。
・緑色
 猫が食べた植物の色の可能性があります。内臓に何か異常が起きており、胆汁の色が濃くなり緑色になることがあります。このような場合には内臓疾患の可能性があるので動物病院で検査を行う必要があります。

いずれの場合にも嘔吐の頻度が週に1回以上続いており、元気、食欲が低下しているような場合にはなるべく早く受診する必要があります。

猫の嘔吐の対処法・予防策

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◯毛玉による嘔吐

換毛期などに嘔吐の回数が増え、毛玉による嘔吐が考えられる場合には、ブラッシングなどによるお手入れをこまめに行うようにしてみましょう。 毛玉をスムーズに便から排出できるようなものを使用したり、フードをヘアボールコントロールのタイプに変更したりしてみるのも良いかもしれません。

◯早食いによる吐出

食欲旺盛な猫で、早食いによる吐出への対処としては、一度にたくさんのフードを与えずに、ごはんの一回量は少なくして頻回にあげてみてください。頻回にあげられないような場合には、早食い防止のお皿などを使ってみるのも良いかもしれません。

◯フードが合わない

猫の好みとは関係なく、ある特定のフードを食べると吐いてしまう、ということが見られることがあります。このような場合にはフードを変更してみて嘔吐しないかどうかを確認する必要があります。フードを変更してすぐに見られるような時には以前のフードに戻してみても良いかもしれません。フードの変更は急に行なわずに、これまでのフードに新しいフードを混ぜるようにして徐々に切り替えるようにしましょう。

以上のような症状の嘔吐の場合、自宅で嘔吐の様子を見ながら対処していきましょう。しかし、嘔吐の回数が増加したり、元気や食欲の低下などの症状が認められたりする場合にはなるべく早く受診し、必要に応じて検査を受けることをおすすめいたします。病院で症状を伝える時に、吐いた回数や吐いた物などの記録があるとわかりやすいです。可能であれば必要に応じて吐いたものを持っていっても良いでしょう。
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