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村田香織先生

私がお話しします

村田香織先生
もみの木動物病院(神戸市)副院長/
(公社)日本動物病院協会こいぬこねこの
教育アドバイザー養成講座講師/
獣医行動診療科認定医

「噛まれる・引っ掻かれる」は、
約9割の人が経験アリ!

うちの猫だけ…ではありません!
実はほとんどの飼い主さんが経験していることなんです。

愛猫に噛まれたり引っ掻かれたりして
ケガをした経験がありますか?

経験あり。軽いケガや無傷ですんだ:82.4%

飼い主さんの心がけで「噛む・引っ掻く」は減らせます!

猫が噛んだり引っ掻いたりするのは、ほとんどの場合飼い主さんが猫に何かをしているときです。
まずここでは、よくある4つのシーン別に噛んだり引っ掻いたりする前に、猫が出す「イヤ」サイン(嫌がっているしぐさや動き)を紹介します。

シーン別「イヤ」サイン

シーン 猫からの「イヤ」サイン(例)
なでたり抱っこ
したりする
スキンシップのとき
  • 抱っこが不快に感じて、身をよじらせて逃げようとする
  • さわられることにイライラして、しっぽをパタパタさせる
爪切りや
ブラッシングなどの
お手入れのとき
  • 怖くなったり、緊張したりすることでギュッと体がこわばってくる
おもちゃを使って
遊んでいるとき
  • 周りが見えなくなるほど興奮して鼻息が荒くなる。鼻がピンク色になる
思いがけない
不意打ちなどのとき
  • 飼い主さんの素早い動きを見て
    「狩りモード」になる

猫からの「イヤ」サインが出ないようにする予防法

「イヤ」サインがわかれば、その「イヤ」サインが猫から出ないようにするための予防法を実践しましょう。これができれば、噛みグセ・引っ掻きは一気に解消できます。

シーン別予防法

シーン 予防法
なでたり抱っこ
したりする
スキンシップのとき
無理やり&長時間には
気をつける
爪切りや
ブラッシングなどの
お手入れのとき
できるだけ短時間を
心掛ける
おもちゃを使って
遊んでいるとき
過剰に興奮させない
思いがけない
不意打ちなどのとき
遊びと食欲を
満たしてあげる

例えば!「スキンシップ」のシーンの場合

スキンシップのときに噛まれる、引っ掻かれることを予防するための対策を一部、ご紹介します。

対策1
抱っこは猫からアピールしてきたときだけ

抱っこするときは猫の気持ちを理解してあげることが大切。しっぽを立ててすり寄ってきたら甘えたがってる証。このタイミングで抱っこすれば、攻撃されることはまずないでしょう。

対策2
正しい方法で抱っこする

猫が落ち着く抱っこの方法を覚えましょう。猫が不快に思わない抱っこのコツは、四肢と下半身を安定させること。さらに飼い主さんとの間にすき間をつくらず密着させると安心します。

対策3
なで過ぎはNG。
なでるときは指先で優しく

長時間のスキンシップは猫にとってはストレスにもなるので、気持ちよさそうなところでやめましょう。また、なでる時は毛づくろいするように指先で軽くがベストです。

対策4
猫がすきな部位を中心になでる

猫は自分で毛づくろいできない顔周りをなでられるのが好きな傾向にあります。おでこや後頭部、鼻筋、あご周りなどをなでてあげましょう。

噛みグセ・引っ掻きは、その理由と予防法さえきちんと理解しておけば、必ず直ります。愛猫がどんな時に噛んだり、引っ掻いたりするかを観察して、それにあった対策をしてあげましょう。

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