第9回土地探し・その2 ── 見た瞬間に「ビビビ」と来てしまった
2009年6月4日

まいったな。土地探し一日目の一発目にして、理想の土地と出会ってしまった。インターチェンジから近いこと、駅にも何とか歩いて行ける距離、それでいてあたりは鬱蒼としていて人影もない、最高じゃないか。斜面の売り地を眺めながら妄想が広がる。この土砂を取り除いて、木を抜いて、日当たりのいいところに広いリビングを作ろう。富士丸のこれからのことを考えて、玄関はバリアフリーにしよう。毎朝、俺たちはそこから出て、鬱蒼としたこの道をノーリードで散歩するんだ。きっと奴は大喜びだろう。老いなんて、どっかに飛んでいっちゃうんじゃないのか。

「あの、そろそろ、次、行きますか?」という不動産屋の声で我に返る。そうかそうか、これで終わりではないのか。他にもまだいくつかリストアップしてくれている土地があるという。ま、一応、そっちも見ておきますか。うーん、しかし、ここは最高だ。はたしてこれ以上の場所があるのだろうか。ひとまず止まらぬ妄想を断ち切る。行きましょう行きましょう、さ、次、行きましょう。ひたすらはしゃいでいる富士丸を車に乗せて、次の土地へ向かう。
